SUVらしい姿に広々車内 新型 ホンダCR-V(1) e:HEVとe:PHEV 2種のハードをチェック

公開 : 2025.12.04 18:05

ホンダCR-Vが6代目に 2速ATを得たハイブリッド e:PHEVは最長80kmを電気で走行可 広い車内にシビックと共有のダッシュボード 気張らなければサイレント&スムーズ UK編集部が試乗

2速ATを得たホンダのハイブリッド

ヴェゼル(HR-V)やZR-Vの後を追うように、新しいホンダCR-Vが登場した。初代の発売は1995年。トヨタRAV4と肩を並べる都市型SUV、クロスオーバーの先駆者的存在といえ、新世代は6代目。北米や欧州では、2022年から提供が始まっている。

欧州仕様のCR-Vは、かつて英国でも生産されていたが、現在は中国から運ばれている。駆動用バッテリーのサプライヤー拠点が、関係しているようだ。

ホンダCR-V e:HEV(英国仕様)
ホンダCR-V e:HEV(英国仕様)

パワートレインは、同社がe:HEVと呼ぶハイブリッド。2.0L 4気筒エンジンは主に発電を担当し、駆動用バッテリーへ電力が供給され、電気モーターでタイヤが駆動される。高速道路など高負荷時にはクラッチが繋がり、エンジンが走行も受け持つ。

これらはシビックやZR-Vと同等のシステムだが、2速ATがエンジン側へ実装される点が、CR-Vの違い。エンジンは低速域でも駆動をアシストでき、トレーラーなどの牽引にも対応する。また、プロペラシャフトを備える四輪駆動でもある。

e:PHEVは最長80kmを電気だけで

e:PHEVとホンダが呼ぶ、プラグイン・ハイブリッドもラインナップされる。17.7kWhの駆動用バッテリーが積まれ、電気だけで最長80kmの走行へ対応する。

駆動用モーターはe:HEVと同じ183psのユニットだが、駆動用バッテリーが大きいぶん、より長い時間で最高出力を得られる点が強み。牽引重量は、最大で750kgから1500kgへ増加し、大きめのキャンピングトレーラーも引っ張れる。

ホンダCR-V e:HEV(英国仕様)
ホンダCR-V e:HEV(英国仕様)

駆動用バッテリーは荷室下からフロア下へ移動し、荷室が広がることもe:PHEVのメリット。一方、プロペラシャフトが組めなくなるため、前輪駆動となる。

どちらにも牽引モードが用意され、カーナビの地図データをもとにバッテリー消費を最適化させつつ、エンジンで高効率に充電。登り坂などへ、自動的に備えてくれる。

SUVらしいボディ シビックと共有のダッシュ

スタイリングは先代のイメージを残しつつ、SUVらしく落ち着いた直線基調へ一新。彫刻的で、格好良く感じる方は多いだろう。先代から、全長は約90mm長くなっている。

インテリアは、ダッシュボードをシビックと共有するが、スッキリとした造形で製造品質が高いことも同じだから、プラスに受け止められる。内装の素材はベーシックながら、RAV4よりは上。だが、キアヒョンデの競合モデルと比べると、特別感が薄い。

ホンダCR-V e:HEV(英国仕様)
ホンダCR-V e:HEV(英国仕様)

試乗車のフロントシートは、座り心地が素晴らしく、しっかり身体の各部を支えてくれていた。ステアリングコラムの調整域は大きく、高めのシートポジションで視界は広く、お好みの運転姿勢を探しやすい。

リアシートは、リクライニングだけでなくスライドも可能。脚の長い大人でも、リラックスできるはず。荷室容量はe:PHEVで635Lあり、奥行方向に余裕がある。e:HEVでは563Lへ縮まるが、充分な広さ。3列7シーターの仕様は設定されない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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