メルセデス・ベンツ新型『CLA』発表 EVは航続距離792km、ハイブリッドも「ディーゼル並み」の低燃費へ

公開 : 2025.03.15 06:45

エンジン技術の進歩も

新型CLAにはハイブリッドモデルも用意される。パワートレインはEVモデルのフロントモーターと同じスペースに収まるよう特別に設計され、新型1.5L 4気筒ガソリンエンジンと1.3kWhの小型バッテリー、そして27psの電気モーターを組み合わせている。最高出力は前輪駆動で136psまたは163ps、四輪駆動の4マティックでは190psを発生する。

メルセデス・ベンツによると、このエンジンは「ディーゼル並みの燃費効率」を実現しているとのことで、20km/lを余裕で超えると予想される。

メルセデス・ベンツCLA(ハイブリッドモデル)
メルセデス・ベンツCLA(ハイブリッドモデル)    メルセデス・ベンツ

CLAの価格についてはまだ発表されていないが、ハイブリッドモデルとEVモデルは同程度に設定されるという。これは、バッテリー生産コストが約30%削減され、EVの全体的な価格が約15%引き下げられたことによる。

そのため、価格は4万ポンド前半から半ば(約770~870万円)のレンジで設定される見込みである。EVモデルは先行して10月頃に発売され、ハイブリッドモデルもその数か月後に発売される予定だ。

セダンに加えて、新型CLAシューティングブレークも発売される。おそらく9月のミュンヘン・モーターショーで正式発表されることになるだろう。

随所に「スター」のモチーフ

メルセデス・ベンツ初の試みとして、ハイブリッドモデルとEVモデルがCLAという車名を共有するだけでなく、内外装もほぼ同一となる。EクラスEQEの関係のように、エンジン車とEVを完全個別で開発するという従来の戦略に終止符を打つ。

デザインにおいても今後の新しい方向性を示すものであり、ブランドのスリーポインテッドスターのロゴを強調している。

メルセデス・ベンツCLA
メルセデス・ベンツCLA    メルセデス・ベンツ

このモチーフはヘッドライトとリアブレーキライトにも採用されており、EVモデルでは142個のスターを備えたバックライト付きフロントグリルが装備される。スターはメインエンブレムの周囲を取り囲むように配置され、エンブレム自体もバックライト付きだ。米国仕様ではエンブレム外側のリングが点灯するが、これは欧州仕様ではEUの規制により禁止されている。

CLAのハイブリッドモデルは、エンジンに冷却用空気を供給するためにオープングリルを備えている。

新たな装いのインテリア

新型CLAは、ラグジュアリー志向というよりもどちらかというとスポーティな性格を強めている。例えば、フロントシートのサイドボルスターは分厚くがっしりとしており、ブラックとホワイトのアルカンターラと赤いステッチの入ったフェイクレザーを組み合わせるなど、華やかな素材が選ばれている。

ダッシュボードにはメルセデス・ベンツの最新スーパースクリーン(Superscreen)を搭載し、その中に、10.25インチのインストゥルメント用、14.6インチのインフォテインメント用、14インチの助手席用(オプション)の合計3つのデジタルディスプレイが統合されている。

メルセデス・ベンツCLA(スーパースクリーン装着車)
メルセデス・ベンツCLA(スーパースクリーン装着車)    メルセデス・ベンツ

最新OS『MB.OS』により、走行中にディスプレイ上で『フォートナイト』などのビデオゲームをプレイしたり、Netflixなどのサービスを利用して動画や映画をストリーミング再生したりすることができる。

また、さまざまなAI機能(ChatGPT、Google Gemini、Microsoft Bing)を組み合わせ、質問に対するより正確な回答を提供する最新バーチャルアシスタントも搭載されている。

スーパースクリーン未装着車では、助手席側のスクリーンが、アンビエントライトと連動するLEDバックライト付きのスターロゴをあしらったガラスパネルに置き換えられる。

トランク容量は405Lと、現行型CLAより55L減少している。しかし、メルセデス・ベンツでは初めて、EVモデルに「フランク」と呼ばれる容量101Lのフロント収納スペースが付いている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    役職:編集アシスタント
    2022年よりAUTOCARに加わり、ニュースデスクの一員として、新車発表や業界イベントの報道において重要な役割を担っている。印刷版やオンライン版の記事を執筆し、暇さえあればフィアット・パンダ100HP の故障について愚痴をこぼしている。産業界や社会問題に関するテーマを得意とする。これまで運転した中で最高のクルマはアルピーヌ A110 GTだが、自分には手が出せない価格であることが唯一の不満。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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