【世界で一番売れているBMWに乗る】いっぱい積んでいっぱい走るなら、X3ディーゼルが最適解!

公開 : 2025.04.09 11:45

ワインディングロードを走れば、やっぱりBMW

今回の試乗では事故渋滞や年度末の交通集中渋滞などにハマったが、ハンズオフ機能付き渋滞運転支援機能のおかげで、かつてのように苦痛を感じることが少なくなった。

これはドライバーのストレス低減につながるし、それゆえ事故発生率も下がるはず。もちろん過信は禁物だが、ハンズオフ機能まではなくとも渋滞運転支援機能は、いまや必需品といえる装備ではないだろうか。

Mスポーツという佇まいは、ディーゼルを普通に乗りたい人には少々アクが強すぎる?
Mスポーツという佇まいは、ディーゼルを普通に乗りたい人には少々アクが強すぎる?    田中秀宣

エンジン回転数は、80km/hで8速1200rpm、100km/hで8速1500rpmくらい(レブカウンターは細かい表示がないため)。直進安定性は高く、また大径の50タイヤを履いているが、乗り心地はきわめてフラットライドで上質だ。しかもSAVならではの少し高めのドライビングポジションと視界の良いコクピットのおかげで、1.9mを超える全幅ながら車両感覚はつかみやすく、狭い道でも思ったより走りやすかった。

高速を降り、ちょっとしたワインディングロードを走ってみると、やはりコイツはBMWだった! エンジンや足まわり、そしてステアリングホイールなどからのインフォメーションがしっかりと感じられる。ハンドリングは秀逸で、意のままのコーナリングを楽しむことができるといったら言い過ぎだろうか。

今回の試乗では、約210km(約6割が高速:渋滞あり、約4割が市街地&郊外路)を走って、車載の平均燃費計は16.7km/Lを表示した。WLTCモード燃費は16.3km/L(高速モードは18.8km/L)だから、実燃費はカタログ値と大きくは変わらないだろう。

リアシートやラゲッジスペースは十分に広く、シートアレンジなど使い勝手も高い。安全&快適装備も高いレベルで充実している。予算や保管場所のサイズなどに問題がなく、多くの人や荷物を積んで長距離を走ってアウトドアレジャーを楽しむ機会が多いなら、X3 20dは最適な1台だ。

ただ、個人的には20dにMスポーツだけでなく、シンプルなxラインのトリムレベルも設定して欲しいところ。今回の試乗車であるマットなグレーのボディカラーにブラックのアクセントを用いたMスポーツという佇まいは、ディーゼル搭載車を普通に乗りたい人には少々アクが強すぎるかな? と感じられた。

まあ、このあたりは個人の好みでもあるし、BMWとしては最大公約数的にトリムレベルをセレクトしているのだろう。いずれにしても、新型X3の登場で日本のミッドサイズSUV市場はインポート、国産とも多くの魅力的なモデルがひしめき、さらなる激戦区となりそうだ。

BMW X3 20d xドライブMスポーツのスペック

全長×全幅×全高:4755×1920×1660mm
ホイールベース:2865mm
車両重量:1930kg
乗車定員:5名
パワートレーン:直4 DOHCディーゼルターボ+モーター(MHEV)
総排気量:1998cc
エンジン最高出力:145kW(197ps)/4000rpm
エンジン最大トルク:400Nm(40.7kg-m)/1500-2750rpm
モーター最高出力:8kW(10ps)/3000rpm
モーター最大トルク:250Nm(2.5kg-m)/500rpm
システム最高出力*:145kW(197ps)
システム最大トルク*:400Nm(40.7kg-m)
トランスミッション:8速AT
駆動方式:フロント縦置き4WD
WLTCモード燃費:16.3km/L
タイヤサイズ:245/50R19
車両価格:858万円
(*はメーカーによる自社参考値)

ディーゼルターボを搭載した『X3 20d xドライブMスポーツ』。
ディーゼルターボを搭載した『X3 20d xドライブMスポーツ』。    田中秀宣

記事に関わった人々

  • 執筆

    篠原政明

    Masaaki Shinohara

    1958年生まれ。某自動車雑誌出版社をめでたく? 卒業し、フリーランスのライター&エディターに。この業界に永くいるおかげで、現在は消滅したものを含めて、日本に導入されている全ブランドのクルマに乗ってきた……はず。クルマ以外の乗りものもけっこう好きで、飛行機や鉄道、さらには軍事モノにも興味があるらしい。RJC会員。
  • 撮影

    田中秀宣

    Hidenobu Tanaka

    写真が好きで、車が好きで、こんな仕事をやっています。
    趣味車は89年式デルタ・インテグラーレ。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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