【世界で一番売れているBMWに乗る】いっぱい積んでいっぱい走るなら、X3ディーゼルが最適解!

公開 : 2025.04.09 11:45  更新 : 2025.04.09 16:19

『世界でいちばん売れているBMW』のX3が4代目にフルモデルチェンジされ、日本導入が開始されました。そのラインナップの中から、今回はディーゼルターボ搭載車に試乗。篠原政明がレポートします。

もはや初代X5を上回るサイズに成長? した新型X3

『世界でいちばん売れているBMW』のX3が4代目にフルモデルチェンジされ、日本導入が開始された。そのラインナップの中から、今回はディーゼルターボ搭載車に試乗してみることにした。

BMWのSAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル:BMWではSUVをこう呼ぶ)は、いまやX1からX7まで7車種がラインナップされている。今回試乗したX3は小さいほうから3番目、BMWとしてはコンパクトセグメントのSAVにあたる。

新型BMW X3に試乗。撮影車はディーゼルターボの『X3 20d xドライブMスポーツ』。
新型BMW X3に試乗。撮影車はディーゼルターボの『X3 20d xドライブMスポーツ』。    田中秀宣

1999年に登場してSUVのパイオニア的存在となったX5に続き、BMWのSAV第2弾として初代は2003年に発表(日本仕様は2004年に発売)された。昨2024年6月に発表され、11月に日本でも発売された今回の新型は、4代目にあたる。

BMWでは『コンパクト』と称しているが、日本ではミッドサイズにあたるだろう。初代では全長約4.55m、全幅約1.85mのサイズだったが、フルモデルチェンジごとに少しずつサイズアップし、新型では全長約4.75m、全幅約1.92mにまで拡大した。ちなみに、初代X5は全長約4.66m、全幅約1.87mだったから、それよりも大きくなっている。

今回も試乗用の広報車を借り出すとき、駐車場で対面したX3を見て「X5じゃないの?」と錯覚したほど。まわりのクルマと比べても、けっこう大きく見える。その理由はスタイリングにもあるかもしれない。最新のBMW車に共通の、金属の塊から削り出したようなマッシヴなプロポーションがSAVらしい力強さを感じさせる。

とはいえ、DセグメントのSAVとしては、日本の街中での使用を考えるとサイズは(特に全幅は)これ以上アップして欲しくないなというのが本音だ。

大きくなったキドニーグリルは賛否両論だが、シャープでスポーティなデザインのLEDヘッドランプや立体的なT字型のLEDテールランプが前後のデザインを引き締め、また従来型より25mm長い全長と15mm低い全高が、スポーティなイメージを高めている。

もはや、ひと昔前のディーゼルエンジンとは違う

日本仕様の新型X3には、2.0L直4ガソリンターボ/2.0L直4ディーゼルターボ/3.0L直6ガソリンターボのパワーユニットが設定されているが、今回は売れ筋となりそうな、ディーゼルターボを搭載した『X3 20d xドライブMスポーツ』をチョイスした。なお、20dはMスポーツのみのトリムレベルとなっている。

ドアを開けると、センターコンソールとドアパネルのアンビエントライト(色は好みで変更できる)が点灯して出迎えてくれる。運転席の前には、メーターパネルとコントロールディスプレイが一体化したカーブドディスプレイが展開する。

Mアルカンタラ/ヴェガンザのシートはサポート性も良好。
Mアルカンタラ/ヴェガンザのシートはサポート性も良好。    田中秀宣

試乗車は前席ベンチレーションシート(ヒーターは標準装備)や後席ヒーター、ステアリングホイールヒーターをパッケージオプションで装備。標準装備のMアルカンタラ/ヴェガンザのシートはサポート性も良く、Mスポーツらしい『駆け抜ける歓び』が味わえそうだ。

ステアリングホイールのグリップは少し太め。これはミニを含めた最新のBMWグループ車のスポーティモデルに共通なのだが、日本人の手の大きさを考えると、もう少し細くてもいいかなと思える。

これも最新BMW車に共通の、スイッチ式ATセレクターをDに入れて走り出す。エンジン音はきわめて静かで、ディーゼルであることを忘れさせる。音や振動は、ガソリン車にしては少し感じるかな? といったレベルだ。レブカウンターは5500rpmからゼブラゾーンで6000rpmからレッドゾーンと、ひと昔前のガソリンエンジン並みだ。

コンパクトとはいえ1.9トンを超える車両重量ながら1500rpmから最大トルクの400Nmを発生するディーゼルターボは、立ち上がりから十分にパワフルで、しかも低速域やパーシャルスロットルからの加速でもターボを感じさせないレスポンスの良さが好印象だ。

紹介し忘れたが、新型X3のパワーユニットはすべて48Vマイルドハイブリッドを組み合わせている。そのためアイドリングストップからの再始動でも振動がなく、きわめてスムーズだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    篠原政明

    Masaaki Shinohara

    1958年生まれ。某自動車雑誌出版社をめでたく? 卒業し、フリーランスのライター&エディターに。この業界に永くいるおかげで、現在は消滅したものを含めて、日本に導入されている全ブランドのクルマに乗ってきた……はず。クルマ以外の乗りものもけっこう好きで、飛行機や鉄道、さらには軍事モノにも興味があるらしい。RJC会員。
  • 撮影

    田中秀宣

    Hidenobu Tanaka

    写真が好きで、車が好きで、こんな仕事をやっています。
    趣味車は89年式デルタ・インテグラーレ。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

関連テーマ

コメント

おすすめ記事

 
×