三菱トライトンが8日間2500kmの過酷なラリーに挑戦!【増岡浩総監督らが決意を語る】

公開 : 2025.07.08 11:45

総監督とドライバーがAXCRへの決意を語る

自らも篠塚健次郎選手に続く社員ドライバー出身で、ダカール・ラリーの優勝者でもある増岡浩総監督は、新型トライトンを投入して3年目のAXCRにあたり、結果を出したい、すなわち総合優勝したいと熱く語る。

三菱の本社がある岡崎からエンジン、車体関係、電子関係のエキスパートスタッフ3名も参加して万全を期しており、既に現地で耐久テストが行われている。

ダカール・ラリーの優勝者でもある増岡浩総監督は、総合優勝したいと熱く語る。
ダカール・ラリーの優勝者でもある増岡浩総監督は、総合優勝したいと熱く語る。    平井大介

2024年はチャヤポン選手がぶっちぎりの総合首位に立ちながら、マシントラブルでリタイヤとなった。2025年のマシンは軽量化を図りながら、駆動系の強化や操縦安定性やサスペンションセッティングの向上により、乗り心地も重視したセッティングになっている。

2024年のAXCRで総合5位に入賞した田口選手は、敗因はミスコースにあったという。GPSがオーガナイザーと競技車では微妙に違っていたり、コースマップが作られた雨季では池だった場所が実戦の乾季では畑になっていたり、また十字路などのチェックポイントでのリセットのタイミングがAXCRとWRCなどでは違っていたりということから、これらを克服すれば上位を狙えるだろう。

「優勝したら、特別仕様車を作ってもらおうかな?」

2024年は初出場ながらチームメイトをサポートしつつ完走を果たした小出選手。2024年の車両はほぼノーマルだったが、2025年の車両は2トップの車両とパワースペックは同等。経験を積んだことで2024年よりも速く走れそうだと語る。

ATを採用したのは、スタックした車両をレスキューするときなどにはATのほうが扱いやすいという理由もあるという。

チーム三菱ラリーアートのAXCRでの健闘に期待したい。
チーム三菱ラリーアートのAXCRでの健闘に期待したい。    平井大介

「監督は、ドライバーが安心してアクセルを踏めるよう、そして8日間の長丁場でチーム全員を守ることが仕事です。監督やっているよりドライバーのほうがずっと気楽です(笑)」と語る増岡氏は、「優勝したら、特別仕様車を作ってもらおうかな?」と自信も覗かせる。

チーム三菱ラリーアートのAXCRでの健闘に期待しよう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    篠原政明

    Masaaki Shinohara

    1958年生まれ。某自動車雑誌出版社をめでたく? 卒業し、フリーランスのライター&エディターに。この業界に永くいるおかげで、現在は消滅したものを含めて、日本に導入されている全ブランドのクルマに乗ってきた……はず。クルマ以外の乗りものもけっこう好きで、飛行機や鉄道、さらには軍事モノにも興味があるらしい。RJC会員。
  • 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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