【あのCMは釧路が舞台】スバル・レヴォーグ レイバックとレヴォーグSTIスポーツを北の地で乗り比べ

公開 : 2025.08.04 11:45

最東端の地で感じたレイバックとSTIスポーツ、それぞれの個性

さあ、納沙布岬に到着。でも、相変わらずの濃い霧に包まれており、残念ながら期待していた北方領土の島影を目視することはできませんでした。

それでも、海に切り立つスケールの大きな断崖や、遮るもののない広大な水平線を眺めていると、この『じり』さえ晴れればどれほど雄大な景色が広がっているのだろうと想像が膨らみます。そして、撮影のためにファインダーをのぞきながら、この景色の迫力に負けないレヴォーグのデザインに見惚れました。大自然に置くと、さらに魅力が引き立つクルマだと思います。

レヴォーグたちとともに、日本最東端に立てた達成感がありました!
レヴォーグたちとともに、日本最東端に立てた達成感がありました!    黒木美珠

納沙布岬をあとにし、帰路はレヴォーグSTIスポーツのステアリングを握ります。現在、レヴォーグの販売台数の約半数がSTIスポーツに集中していると聞いて、期待が高まります。

乗り込むと、内装はレイバックとは対照的で、走りへの高揚感を引き出す演出が施されています。メーターにはSTIのエンブレム、シートはRECARO製。視覚的にも触感的にも、ドライバーの気持ちを「走るぞ」というモードに切り替えてくれます。

走り始めてまず感じたのは、乗り心地の明確な違いです。5種類あるドライブモードから最初に選んだのは『スポーツ』。アクセルを踏み込んだ際の伸びやかな加速感と、段差を越えた際に感じる硬質な衝撃の伝わり方は、まさにスポーティそのもの。シートは背面の形状がやや平板で硬いものの、腰まわりや太ももを支えるサイドのサポート性は高く、長時間でも安心して身を任せることができます。

途中でドライブモードを『コンフォート』に変更すると、乗り味は一転。可変式ダンパーの効果もあり、しなやかでしっとりとした乗り心地に変化します。こうなるとレイバックに近いフィーリングと言えますが、サスペンション・ストロークの長さの違いか、レイバックのほうがやや柔らかく感じられます。

それでも、このようにシーンや気分に応じて走りの性格を切り替えられる懐の深さがSTIスポーツの魅力なのだと実感しました。たとえば、家族を乗せて穏やかに移動したいときは『コンフォート』、ひとりでワインディングを楽しみたいときには『スポーツ+』。一台で何役もこなせる万能さが、選ばれる理由なのでしょう。

どのモードでも共通する、力強く芯の通った走りに改めて魅了されながら、北の大地を満喫したのでした。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    黒木美珠

    Miju Kuroki

    1996年生まれ、静岡県出身。自動車系YouTuberとしての活動を経て、自動車ジャーナリスト(の卵)へと転身。自身の車中泊による日本一周の経験をきっかけに、クルマを通じたライフスタイルの可能性に魅了されるようになる。現在は、輸入車デビューを目指す連載をはじめ、車中泊視点での車両レビューや、YouTubeチャンネル『AUTO SOUL JAPAN』の運営など、多角的に活動中。クルマを単なる移動手段や機械としてではなく、その背景にある開発者の想いや、クルマを取り巻く文化、そして『移動すること』そのものの価値を伝えることをモットーとしている。

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