【あのCMは釧路が舞台】スバル・レヴォーグ レイバックとレヴォーグSTIスポーツを北の地で乗り比べ

公開 : 2025.08.04 11:45

北海道・釧路を舞台に、スバル・レヴォーグ レイバックとレヴォーグSTIスポーツを試乗した黒木美珠。それぞれスバルらしい走りの世界観がありながらも個性が違う2台をレポートします。

『じり』に包まれて。レイバックと、夏の釧路旅

スバルレヴォーグ レイバックの新CM、みなさんはご覧になりましたか? その撮影地である北海道釧路での試乗体験のお誘いをいただき、北の地に行ってまいりました。

真夏の釧路は、7月中旬でも気温が20度ほど。風が吹くと薄手の羽織ものが欲しくなる涼しさです。地元の方によると、近年、高齢者を中心に『避暑地』として注目を集めているそう。実際、7月から8月にかけて約2000人もの日本人が長期滞在しているとのことです。

CMの風景は見られませんでしたが、この霧の濃さが釧路らしさなのかも。
CMの風景は見られませんでしたが、この霧の濃さが釧路らしさなのかも。    黒木美珠

この地は『霧の街』とも呼ばれ、年間100日以上も霧が発生すると言われています。今回も例外ではなく、空港に降り立つと霧に包まれた幻想的な風景が広がっていましたが、これが釧路本来の姿なのかもしれません。ちなみに、地元ではこの濃い霧のことを『じり』と呼ぶそうです。

そんな釧路空港から、日本本土最東端である納沙布岬を目指します。納沙布岬は北海道根室市の東端に位置し、北方領土の国後島を最も近くに望める場所としても知られています。天気が良ければ、水平線の向こうに島影を捉えることができるとか。

旅の往路の相棒は、スバルのレヴォーグ レイバック。2022年に日本専売車両として登場した都市型SUVです。タフでアクティブなフォレスターと、動的性能に優れたスポーティなレヴォーグの『ちょうど中間』を担う存在で、両者の魅力をうまく融合した1台に仕上がっています。

最低地上高は200mmと、フォレスターと同等のクリアランスを確保。積雪地域では従来のレヴォーグの場合、地上高の低さがネックになるという声もありましたが、そういったユーザーにとってはまさに待望のモデルではないでしょうか。

車名の『レイバック』は、『laid back(レイドバック)=リラックスした、くつろいだ、ゆったりとした』に由来しています。車内は上質さながら肩の力が抜けた空気感があり、『凛&包』をコンセプトとするインテリアには、温かみのあるグレージュカラーがあしらわれ、リビングのように落ち着ける空間につくり込まれています。

道東の大地を走る──広大な風景と動物たち、そしてレイバックの実力

釧路空港から目的地の納沙布岬までは片道約164km。直行しても3時間弱の距離ですが、風景を味わいながら、道東ならではの魅力を満喫できるルートです。

北海道らしい広大な直線道路に加え、ゆるやかなカーブが続くワインディングも豊富。無料の自動車専用道が整備されており、一般道は信号も少ないため、全体的に流れがスムーズで、ストレスを感じることなく移動することができました。

車名通り『レイバック』したくなる室内は、長距離移動に嬉しいゆったり感。
車名通り『レイバック』したくなる室内は、長距離移動に嬉しいゆったり感。    黒木美珠

さらに道中、放牧中の牛や馬、野生のタンチョウやキツネ、エゾシカといった動物たちにも出会えました。これは北海道の自然の豊かさはもちろん、レイバックの『背の高さ』による視界の良さも一因かもしれません。着座位置が高いため見晴らしがよく、さらに運転中の安心感があるため、初めての道でもリラックスして走りを楽しみました。

パワーユニットは2.4Lエンジンと1.8Lターボエンジンの2種類がありますが、レイバックに搭載されているのはCB18と呼ばれる後者。高速域でも満足いく走りを見せてくれ、特に中速域ではスムーズかつ滑らかな加速フィールが印象的でした。

ロードノイズが少なく、SUVでありながらやはりレヴォーグに近い動的性能が備わっているのも魅力です。長距離移動での疲れも感じにくく、最後までリラックスして走り切れました。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    黒木美珠

    Miju Kuroki

    1996年生まれ、静岡県出身。自動車系YouTuberとしての活動を経て、自動車ジャーナリスト(の卵)へと転身。自身の車中泊による日本一周の経験をきっかけに、クルマを通じたライフスタイルの可能性に魅了されるようになる。現在は、輸入車デビューを目指す連載をはじめ、車中泊視点での車両レビューや、YouTubeチャンネル『AUTO SOUL JAPAN』の運営など、多角的に活動中。クルマを単なる移動手段や機械としてではなく、その背景にある開発者の想いや、クルマを取り巻く文化、そして『移動すること』そのものの価値を伝えることをモットーとしている。

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