VW、高級SUV『トゥアレグ』の生産終了を計画 24年の歴史に幕? 後継はなし
公開 : 2025.08.07 06:45
フォルクスワーゲンは『トゥアレグ』の生産を2026年に終了する方針を固めました。今後は広範囲のユーザー層に訴求力のある『タイロン』などに集中し、ラインナップの合理化を進めます。EVの『ID.5』も廃止予定です。
ラインナップを合理化
フォルクスワーゲンは、高級SUV『トゥアレグ』の生産を終了する計画だ。
関係者の話によると、トゥアレグは2026年に生産を終了し、代わりに最近発売された『タイロン』が同社最大のSUVモデルとなるようだ。

2002年に発売されたトゥアレグは、初代ポルシェ・カイエンと並行して開発された高級志向のSUVで、同じプラットフォームを共有している。カイエンはポルシェ初のSUVとして、トゥアレグはフォルクスワーゲンブランドを向上させる上級モデルとして導入された。
そのようなトゥアレグの生産終了は、フォルクスワーゲンの優先順位の変化を反映したものだ。新型のタイロンは、幅広い層にアピールする低コストの代替モデルとして位置付けられ、トゥアレグの役割の大部分を担っている。タイロンはすでに世界の主要市場で販売されており、2列シートと3列シートの2つのボディタイプが用意され、最大2500kgの牽引能力と実用性の高いインテリアを備えている。
トゥアレグの直接の後継車は計画されていない。
トゥアレグと共に、フォルクスワーゲンは電動SUV『ID.5』も生産終了とすることを決定した。
ID.5は、2021年にID.4のスポーティなクーペスタイルの兄弟車として発売され、主に中国市場をターゲットにしていたが、現地で大きな成功を収めることはできなかった。欧州でも、実用重視のID.4の影に隠れていた。米国では販売されていない。
ID.5の生産終了は2027年に予定されている。フォルクスワーゲンは今後、ラインナップの合理化と人気モデルへの集中を図る。
一方、以前報じられたように、「ミニBuzz」と呼ばれる小型ミニバン(MPV)の導入についても、フォルクスワーゲンの取締役会で議論が行われた。トゥーランの後継となるコンパクトで実用的なEVとして構想されていたようだ。
しかし、経営陣に近い関係者によると、このモデルの優先順位は低く、現在は兄弟会社のスコダが開発する方向で検討を進めているという。「検討はされましたが、市場で求められているのはクロスオーバーとSUVモデルです。最終的にはこの方向で進めることになりました」と関係者は述べた。
小型電動ミニバンの開発を断念した背景には、ドイツのブラウンシュヴァイク研究開発センターにおけるエンジニアリング能力が、ゴルフEVなど重要度の高いモデルの開発で限界に達していることが挙げられる。








































