【第11回】サイトウサトシのタイヤノハナシ~ロードインデックスの見方~
公開 : 2025.08.28 17:00
真夏日も猛暑日も酷暑日も、脳内はタイヤで埋め尽くされているサイトウサトシが、30年以上蓄積した知識やエピソードを惜しみなく披露するこのブログ。第11回のお題は、ロードインデックスです。
空気圧の荷重負荷能力が微妙に異なる理由
『2025年度版JATMA YEAR BOOK』、買いました。
「今頃?」、「買ってなかったの?」という声が多いのか、「買うんだ(笑)」、「タイヤ好きなんですね~」という声が多いのか。どっちなんでしょう?

さて、今回テーマにしたロードインデックスの資料を探すためにJAMAのHPをうろうろしていたのですが、そこでふと目に留まったのが『(8)JATMA YEAR BOOK改訂履歴』でした。
これの2025年版をクリックしてみると、変更概要として
『Std,Load空気圧:240→250kPa化
240→250kPa置換(246サイズ)
240kPa残置(17サイズ)
※2030年度版で全サイズ置換完了』
という表記が……。
そうそう、最近、乗用車用タイヤ空気圧~負荷能力対応表を見ると、250kPaのタイヤが多くなって、表がとても見にくくなっていたので、疑問に思っていたんです。
前にも書いたと思いますが、日本のタイヤ規格であるJATMA(ジャトマ)規格では、スタンダードロード(標準空気圧)の空気圧の上限は240kPa。ところが欧州のタイヤ規格であるETRTO(エトルト)規格は空気圧の上限が250kPaなんです。
例えば同じロードインデックス100でも180kPa時の負荷能力はJATMAが675kg、ETRTOは615kgです。これがJATMA240kPa時800kg、ETRTOは250kPa時800kgとなっています。
ロードインデックス100のMAXの荷重負荷能力は同じなのですが、上限空気圧の設定が異なるので、途中の空気圧の荷重負荷能力も微妙に異なるのです。
で、現在JATMAでは順次250kPaに置き換えているのです。
もうちょっと詳しくいうと、ETRTOに合わせているわけではなく、ISO(国際標準化機構)の中でタイヤの国際規格を検討するタイヤ、リム及びタイヤバルブ専門委員会において策定されたもの。ちなみに、JATMAもJISC(日本産業標準調査会)によって承認され国内の審議団体として活動しています。
つまり、空気圧の上限を欧州と横並びにしてロードインデックスによる混乱をなくすために、今ちょっと混乱している……という状態です。
タイヤ履き替え時に空気圧設定がややこしくなった理由
まあ、うんと大雑把にいってしまえば、JATMAとETRTOのスタンダードタイヤのロードインデックスの差は、ほぼ無視できるレベル。空気圧で調整できる範囲なのですが、空気圧上限を290kPaにしたレインフォースド・タイヤとか、エクストラロード・タイヤが増えてきたことで、タイヤを履き替えた時の空気圧の設定がさらにややこしくなっています。
このレインフォースドとかエクストラロードというのは、タイヤの空気圧の上限を290kPaに設定して、荷重不可能力(≒ロードインデックス)を高めたタイヤです。

タイヤはエアボリュームが減ると荷重不可能力が少なくなる傾向にあります。そのためタイヤを交換するときに、インチアップ&サイズアップすると、サイズによってはロードインデックスが元よりも少なくなってしまうケースが出てきたのです。
そこで、当初は不具合のあるサイズにエクストラロードの設定をしていました。1980年代半ばから後半くらいです。ところか近年ではタイヤのインチアップと低偏平化が進み、エクストラロード設定のタイヤサイズがとても多くなっています。
例えば、同サイズの履き替えでこれまで履いていたタイヤがスタンダートロード、履き替えたタイヤがエクストラロードだった場合を考えてみます。
ロードインデックスが100で、指定空気圧が240kPaだったとすると……。
まずはスタンダードロードタイヤのロードインデックス100、空気圧240kPaを探します。過重負荷能力は800kgであることがわかります。
次に、エクストラロードの換算表で800kgの空気圧を探します。290kPaで800kgになるので、エクストラロードの新しいタイヤの空気圧は290kPaになります。
同様に、スタンダードロードで指定空気圧が210kPaの場合は、エクストラロードで740kgを超えているところに合わせるので、空気圧は270kPaになります。
数字だけを見ると270kPaとか290kPAも入れてしまっていいの? とか、タイヤは硬くならないの? と心配になりますが、それで成立するように作られているので問題ありません。

