一方XV ハイブリッドは、ドライブ・モーターを縦置きギアボックスの後端に置き、バッテリーはリア・デフの真上に置くという点で、スバルのシンメトリカルなシステムに溶け込んでいる。プリウスのようにEV走行のスイッチはないが、システムの切り替えは充分に賢いので、発進時はスロットルの踏み方ひとつでEV走行とモーター・アシスト走行などの各モードを使い分けることができる。燃費は素のXVが16.2km/ℓ(JC08)であるのに対し、ハイブリッドは20.0km/ℓとなっているが、試乗したときの感じではさらに燃費を伸ばせるように思えた。

さすがにワインディングでペースを上げると、エンジンルームの左右に標準バッテリーを搭載し、リアにも走行用のバッテリーを積んでいるので、身のこなしは軽やかとは言えずロールも大きいのだが、タウンユースの比率が大きく、週末にはアウトドアに繰り出すようなユーザーにとってXVハイブリッドは魅力的な選択肢といえるだろう。

伝統のシンメトリカルAWDを熟成させ、その中にハイブリッド・システムをもインストールさせている現代のスバル。今回の記事では触れなかったが、そこに評価の高い運転支援システムであるアイサイトが加わるのだから、その商品性の高さは相当なものといえる。現代のスバル・ブランドはマニアックからグローバルへ、見事な転身を遂げている。

(文・吉田拓生　写真・田中秀宣)

WRX S4 2.0GTアイサイト

価格	3,348,000円
燃費	13.2km/ℓ
CO2排出量	13.2g/km
乾燥重量	1540kg
エンジン	水平対向4気筒1998ccターボ
最高出力	300ps/5600rpm
最大トルク	40.8kg-m/2000-4800rpm
ギアボックス	CVT

XVハイブリッド2.0i-Lアイサイト

価格	2,862,000円
燃費	20.0km/ℓ
CO2排出量	116g/km
乾燥重量	1510kg
エンジン	水平対向4気筒1995cc
エンジン最高出力	150ps/6000rpm
エンジン最大トルク	20.0kg-m/4200rpm
モーター最高出力	13.6ps
モーター最大トルク	6.6kg-m
ギアボックス	CVT