「昭和世代の魅力」を再発見 トヨタ・セリカ フォード・カプリ ヴォグゾール・フィレンザ(2)

公開 : 2025.10.25 17:50

クラシックスポーツとして1番魅力的なのは?

発進させると、ハードコアな個性に驚く。シフトレバーの感触は機械的で、ステアリングは重く、キックバックも小さくない。今回の3台では、明らかに動的能力が最も高い。

豪快な唸りを放ちつつエンジンは吹け上がり、短いストレートでも充分に加速できる。カーブ手前のブレーキングも頼もしい。きついヘアピンでは、最小限のボディロールを伴いながら、オーバーステアへ滑らかに移行する。旋回バランスが良い。

ヴォグゾール HPフィレンザ(1973〜1975年/英国仕様)
ヴォグゾール HPフィレンザ(1973〜1975年/英国仕様)    マックス・エドレストン(Max Edleston)

走りへ集中し熱意を示せば、しっかり応えてくれる。とはいえ、HPフィレンザの新車価格は2625ポンドと、同時期のセリカやカプリ MkIIより3割も英国では高かったのだが。

共通するコンセプトながら、異なるアプローチで仕上げられたクーペたち。希少性と運転体験では、HPフィレンザが頭1つ抜けている。カプリは実用性と快適性で勝る。それでも、クラシックスポーツとして1番魅力的なのは、洗練された容姿のセリカだろう。

協力:カプリ Mk2 レジスター、ドループスヌート・グループ

1970年代のコンパクトクーペ 3台のスペック

トヨタ・セリカ 1600 ST(1970〜1977年/英国仕様)

英国価格:1806ポンド(新車時)/3万ポンド(約594万円/現在)以下
生産数:約110万台
全長:4064mm
全幅:1600mm
全高:1320mm
最高速度:168km/h
0-97km/h加速:11.5秒
燃費:9.9km/L
CO2排出量:−g/km
車両重量:966kg
パワートレイン:直列4気筒1588cc 自然吸気SOHC
使用燃料:ガソリン
最高出力:101ps/6000rpm
最大トルク:15.0kg-m/4200rpm
ギアボックス:5速マニュアル/後輪駆動

ヴォグゾール HPフィレンザ(1973〜1975年/英国仕様)

英国価格:2625ポンド(新車時)/2万5000ポンド(約495万円/現在)以下
生産数:235台
全長:4114mm
全幅:1625mm
全高:1397mm
最高速度:193km/h
0-97km/h加速:9.4秒
燃費:7.8km/L
CO2排出量:−g/km
車両重量:1015kg
パワートレイン:直列4気筒2279cc 自然吸気SOHC
使用燃料:ガソリン
最高出力:132ps/5500rpm
最大トルク:20.0kg-m/3500rpm
ギアボックス:5速マニュアル/後輪駆動

フォード・カプリ MkII 2.0S(1974〜1978年/英国仕様)

フォード・カプリ MkII 2.0S(1974〜1978年/英国仕様)
フォード・カプリ MkII 2.0S(1974〜1978年/英国仕様)    マックス・エドレストン(Max Edleston)

英国価格:1963ポンド(新車時)/2万ポンド(約396万円/現在)以下
生産数:56万8357台
全長:4343mm
全幅:1701mm
全高:1295mm
最高速度:170km/h
0-97km/h加速:10.8秒
燃費:9.1km/L
CO2排出量:−g/km
車両重量:1045kg
パワートレイン:直列4気筒1993cc 自然吸気SOHC
使用燃料:ガソリン
最高出力:99ps/5200rpm
最大トルク:15.5kg-m/4000rpm
ギアボックス:4速マニュアル/後輪駆動

記事に関わった人々

  • 執筆

    サイモン・ハックナル

    Simon Hucknall

    英国編集部ライター
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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