次世代カローラのライバル? 大胆な4ドア・セダン、キアが新コンセプト発表 『スティンガー』後継か

公開 : 2025.12.09 17:05

キアは未来的なデザインのコンセプトカー『ビジョン・メタ・ツーリスモ』を公開しました。ブランドの次世代デザインを予見するもので、2022年に生産終了した『スティンガー』の精神的後継車と言えそうです。

スポーティなキャラクター強調

キアは、韓国で開催された創立80周年記念イベントで、スポーティなコンセプトカー『ビジョン・メタ・ツーリスモ(Vision Meta Turismo)』を公開した。

エッジの効いた4人乗りGTで、キア特有のデザイン言語「オポジット・ユナイテッド」をさらに進化させた姿を示している。

『ビジョン・メタ・ツーリスモ』
『ビジョン・メタ・ツーリスモ』    キア

キアの現行モデルとの関連性はほとんどなく、量産化の計画についても明らかにされていないが、サイズや形状的にはコンパクトクロスオーバー『EV6』と大型SUV『EV9』の中間に位置することになる。

比較的車高が低く、パフォーマンス重視のモデルとしては、2022年に生産終了したV6エンジン搭載のスポーツセダン『スティンガー』に近いと言えるだろう。

スティンガーは愛好家向けのモデルであり、主流のハッチバックやクロスオーバーと比べれば販売台数は少なかった。しかし、キアのソン・ホソン社長は最近AUTOCARに対し、こうしたモデルは「ハローカー(象徴的なクルマ)」として重要な役割を果たすと述べ、後継車の開発計画を示唆した。

「そうしたモデルは検討中です。キアは現在、ブランド構築に貢献できるモデルとは何かを検討しています」とソン・ホソン社長は述べた。

今回のビジョン・メタ・ツーリスモが、この構想を具現化したものかどうかは不明だ。しかし、どちらかといえば、キアの次世代モデルのシルエットとインテリアを強調するものという性格が強い。

ミニマルで未来的なインテリア

全体的な形状としては、ロータスエメヤなどを彷彿とさせる4ドア・ファストバックGTと表現するのが適切だ。流線型のワンボウシルエットは、明らかに空力性能を優先した設計である。

フロントには、大胆なバンパーおよびライトシグネチャーが採用され、約20年間にわたりキアのデザインを象徴してきた「タイガーノーズ」グリルから脱却している。ヘッドライトは鋭角に配置され、張り出した筋肉質なフロントフェンダーには細いLEDストリップが組み込まれ、リアビューカメラを内蔵している。

『ビジョン・メタ・ツーリスモ』
『ビジョン・メタ・ツーリスモ』    キア

従来型のボンネットは存在しない。いわゆるキャブフォワードのプロファイルを採用し、フロントガラス基部はフロントエンドの先端部近くまで伸びている。これはキアのEV専用プラットフォーム『E-GMP』が持つパッケージングの自由度の高さを強調しているのかもしれない。

フロントガラスはマルチセクションのパノラミックルーフへと繋がり、カーブを描きながら直線的なリアエンドへ続く。リアには、一体型スポイラー、ブラックのディフューザー、そしてEV3やEV9で見られる特徴的なデザインのブレーキライトが配置されている。

ビジョン・メタ・ツーリスモのインテリアは、ミニマリズムと最新テクノロジーを追求した、コンセプトカーらしいデザインとなっている。

フルワイドの3Dヘッドアップディスプレイとホログラフィックのドライバーズディスプレイを主軸とし、「没入感の高い」キャビンと表現されている。一方、ヨーク型ステアリングとジョイスティックが設置されているが、その用途については言及されていない。

このコンセプトカーの詳細については、近日中に明らかにされる見込みだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    役職:副編集長
    AUTOCARの若手の副編集長で、大学卒業後、2018年にAUTOCARの一員となる。ウェブサイトの見出し作成や自動車メーカー経営陣へのインタビュー、新型車の試乗などと同様に、印刷所への入稿に頭を悩ませている。これまで運転した中で最高のクルマは、良心的な価格設定のダチア・ジョガー。ただ、今後の人生で1台しか乗れないとしたら、BMW M3ツーリングを選ぶ。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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