20年前、中国車の欧州進出はうまくいかなかった 試行錯誤と失敗 英国記者の視点

公開 : 2025.10.07 18:05

安全性や品質問題に直面

実は、英国進出が見込まれていた最初の中国ブランドは吉利ではなかった。2006年、スバルの輸入業者であるインターナショナル・モーターズ(IM)は「複数社」と交渉しており、最有力候補は奇瑞汽車とされた。奇瑞もまた、20年を経てようやく英国進出を果たそうとしている。

同時期、ランドウィンド(後にレンジローバー・イヴォークの模倣で悪名を馳せる)は、時代遅れな外観のSUV『X-ペディション』で欧州型式認証を取得した初の中国ブランドとなった。

ランドウィンドの『X-ペディション』は安全性が疑問視され、販売中止となった。
ランドウィンドの『X-ペディション』は安全性が疑問視され、販売中止となった。

欧州担当取締役のポール・ウィリアムズ氏は約1万5000ユーロ(約260万円)で販売する意向を示し、英国市場も視野に入れていることをほのめかした。しかし、X-ペディションは衝突安全試験で恐ろしい結果を出し、即座に販売中止となった。

ほぼ同時期に、ブリリアンス(Brilliance)の『BS6』というセダンもまったく同じ運命を辿った。このモデルはBMWの中国合弁パートナーとして設立された企業によるものだった。

はるかに有望だったのはクオロス(Qoros)だ。奇瑞汽車とイスラエルの国営投資会社が欧州市場向けに立ち上げたブランドで、「戦略的アウトソーシング」に基づいた計画を練っていた。

AUTOCARが2014年末にフォード・フォーカスのライバルとなるセダン『クオロス3』を試乗した際、「同セグメントで最高クラスのクルマに匹敵する」と評価したが、販売はスロバキアのみに留まった。クオロスは3年後、為替レートを理由に販売拡大計画を中止した。

同じく2014年、長城汽車はハヴァル(Haval)ブランドの英国市場投入を検討した。しかし、発売直後に品質問題が発覚し、SUV『H8』の生産を一時停止せざるを得なかった。だが今では、『ジョリオン・プロ』という小型SUVを販売している。

記事に関わった人々

  • 執筆

    クリス・カルマー

    Kris Culmer

    役職:主任副編集長
    AUTOCARのオンラインおよび印刷版で公開されるすべての記事の編集と事実確認を担当している。自動車業界に関する報道の経験は8年以上になる。ニュースやレビューも頻繁に寄稿しており、専門分野はモータースポーツ。F1ドライバーへの取材経験もある。また、歴史に強い関心を持ち、1895年まで遡る AUTOCAR誌 のアーカイブの管理も担当している。これまで運転した中で最高のクルマは、BMW M2。その他、スバルBRZ、トヨタGR86、マツダMX-5など、パワーに頼りすぎない軽量車も好き。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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