EVを「ハイブリッド化」するパワートレイン 既存モデルに後付け、開発コスト削減へ

公開 : 2025.04.21 06:45

吉利汽車とルノーの合弁会社ホースは、EVに後付けできるハイブリッド・パワートレインを開発したと発表しました。EVへの移行が減速する中で、モデル開発のコスト削減をメリットに掲げています。

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中国の吉利汽車とフランスのルノー・グループのエンジン製造合弁会社であるホース(Horse)は、EVに後付け可能なハイブリッド・パワートレインを発表した。

エンジン、電気モーター、トランスミッション、関連電子機器を1つのユニットにまとめ、EVのメイン駆動モーターと同じスペースに収めることができる。

EVモデルをハイブリッド車へと切り替えられるパワートレインが登場した。
EVモデルをハイブリッド車へと切り替えられるパワートレインが登場した。    ホース

これにより、既存モデルを容易にハイブリッド化することができる。自動車メーカーにとっては、モデルを全面的に再設計したり、新しい製造ラインを立ち上げたりする必要がないため、コスト削減につながる。

ホースによると、このパワートレインは、ガソリン、E85エタノール混合ガソリン、純メタノール、合成燃料に対応しているという。

従来のパラレルハイブリッド(車輪を駆動)としても、レンジエクステンダー(駆動モーター用の発電)としても動作可能だ。

ユニットは、車両のサブフレームに取り付けられる。EVのフロントモーターの代替として設計されているが、エンジン車のプラットフォームにも使用できる。

昨今、複数のメーカーがEVへの移行ペースを緩めている。

注目すべきは、フィアットがハイブリッド・パワートレインを搭載した新型500eの開発を進めている点だ。これはEVの販売不振を補うための戦略とされている。

ホース・パワートレイン社のCEO、マティアス・ジャンニーニ氏は次のように述べた。

「過去10年間、バッテリーEVがネットゼロへの唯一の道筋と見られ、OEM各社はそれに合わせて計画を立ててきました」

「しかし、現在は技術中立の世界へと移行しつつあり、さまざまな市場や用途がそれぞれ独自の持続可能モビリティの道を追求しています」

ジャンニーニ氏は、同社の新ハイブリッドユニットについて「OEMは製造プロセスやリソースの支出を最小限に抑えながら、パワートレインの多様化を実現できる」と利点を強調した。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    役職:編集アシスタント
    2022年よりAUTOCARに加わり、ニュースデスクの一員として、新車発表や業界イベントの報道において重要な役割を担っている。印刷版やオンライン版の記事を執筆し、暇さえあればフィアット・パンダ100HP の故障について愚痴をこぼしている。産業界や社会問題に関するテーマを得意とする。これまで運転した中で最高のクルマはアルピーヌ A110 GTだが、自分には手が出せない価格であることが唯一の不満。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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