今でも強烈なウェポン フェラーリ308 GTB レーサー(2) 左側へ鎮座する赤い消化器

公開 : 2025.11.15 17:50

最高のレスポンス 今でも強烈なウェポン

最初のストレートで4000rpmへ引っ張り、感触の頼もしいペダルを蹴飛ばしてブレーキング。きつい右コーナーへ飛び込む。コース幅は狭いが、比較的平坦。アシストのないステアリングは重くハイギアでも、グリップ力が意欲を掻き立てる。

自然吸気のV8エンジンは最高。レスポンスは即時的で、パワーデリバリーはリニア。7000rpmのレッドライン目掛けて、鳥肌もののクレッシェンドを響かせる。上腕二頭筋がパンプアップする頃には、うねるようなコースを機敏に巡れていた。

フェラーリ308 GTB 「ヴェトロレジーナ」レーサー(1975年式)
フェラーリ308 GTB 「ヴェトロレジーナ」レーサー(1975年式)    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)

鮮烈なのが、低域トルク。非常に扱いやすく、息を呑むような速さを引き出しやすい。これまでの50年と同様に、今でも強烈なウェポンであることは明らかだった。

協力:リチャード・ドレッジ氏、リチャード・プリース氏、フェラーリ・オーナーズ・クラブGB、ヘアウッド・スピード・ヒルクライム

番外編:もう1台のヴェトロレジーナ

1981年に、走行距離7万2000kmの308 GTB ヴェトロレジーナを購入したのが、シェリダン・ウィリアムズ氏。シャシー番号は19455で、1975年12月に英国へ輸入された、2台目の右ハンドル車だった。現在の走行距離は、32万kmを超えているという。

「当時は、クルマを1台しか所有できませんでした。これで毎日、往復128kmの通勤を2年間続けたんです」。と説明する。さらに1983年から6年間は、専門ガレージへエンジンのチューニングを頼み、モータースポーツにも興じていたそうだ。

フェラーリ308 GTB 「ヴェトロレジーナ」レーサー(1975年式)
フェラーリ308 GTB 「ヴェトロレジーナ」レーサー(1975年式)

走行距離が30万kmを超えた時点で、全面的にオーバーホール。現在は週に1度のペースで308 GTBを楽しんでいる。雨の日も。「このクルマで本当に参ったのは、2回だけ。ディストリビュータの故障と、前のウィッシュボーンが折れたことくらいです」

記事に関わった人々

  • 執筆

    サイモン・ハックナル

    Simon Hucknall

    英国編集部ライター
  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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