フェラーリ308 GTSでトリノへ(2) 運転への陶酔を誘う3.0L V8 絶壁へ反響する高音
公開 : 2025.11.01 17:50
1975年の発表から50周年を迎えた308 GTB 3.0L V8ツインカムを横置き パワーを回復した後期のクワトロバルボーレ 絶壁へ反響するトランペットのような響き UK編集部がトリノを目指す
もくじ
ースリムなシューズが必要でも居心地が良い
ー絶壁へ反響するトランペットのような音色
ードライバーが熱意を示すほど真価を顕にする
ー滑らかに回る3.0L V8 自然と運転へ陶酔
ーフェラーリ308 GTS クワトロバルボーレ (1982〜1985年/英国仕様)のスペック
スリムなシューズが必要でも居心地が良い
フェラーリ308 GTS クワトロバルボーレで、アルプス山脈を登る。フランスの南東、シェンヌ・ド・ベルドンヌの荒涼とした山肌が、視界で常に存在感を放つ。見惚れるような渓谷沿いに、緩やかな勾配の道が伸びている。
308 GTSと、親しくなるのに丁度いい。3スポークのモモ社製ステアリングホイールを正面に据えたシートは、座面が低くない。身長が高いと、フロントガラスを見下ろすような姿勢になる。右ハンドルの場合、間隔の狭いペダルは左へずれている。

ストレスなく運転するには、スリムなシューズが必要。それでも、運転席は居心地が良い。燃料噴射化されたV8エンジンは、落ち着いた咆哮を奏でる。オーナーのマーク・キーヴ氏は、2020年から所有しているそうだ。
エアコンとフロントスポイラーは、新車時から備わるオプション。走行距離は8万3600kmに伸びているが、サスペンション・ブッシュとステアリングラックがリフレッシュされ、1984年の納車時のように細部まで若々しい。
絶壁へ反響するトランペットのような音色
山脈へ続く道は程なく蛇行し始め、絶壁が路肩へ迫る。必要以上に低いギアを選び、アクセルペダルの短いストロークを活用し、自然吸気V8エンジンの音色を反響させる。5000rpmで覚醒し、7000rpm以上で更に鋭さが増す。
トランペットのような響きは、洗練されつつ刺激的。動力性能へ驚くことはないとしても、音響体験はどんなエンジンでも敵わないだろう。ドライバーを魅了する力で、肩を並べる現行モデルは殆どない。

ル・フルネ・ドワザンを過ぎると、標高1040mに浮かぶシャンボン湖と出会う。エメラルドグリーンの水面は、鮮やか過ぎて違和感を覚えるほど。撮影していると、英国ナンバーのバイクが20台ほど通過していった。308 GTSとは対象的なノイズを放って。
東へ進み、スキーリゾートとして知られるラ・グラーヴへ。「フランスの最も美しい村協会」に加わる小さな町で、中世の礼拝堂や修道院などを拝める。気温は26度もあるから、雪が舞い出すのは当分先のようだ。
ドライバーが熱意を示すほど真価を顕にする
イタリアとの国境が近づき、エクラン国立公園へ。308 GTSにうってつけな、速度域の高い見通しの良いカーブが連続する。標高が上がるほど、万年雪が近づく。カメラマンは、ツール・ド・フランスでも走る、ガリビエ峠への迂回を提案した。
アスファルトの端のギリギリへ、ミシュラン・タイヤを寄せる。慎重さを保ちつつ、積極的に攻める。308 GTSは、ドライバーが熱意を示すほど真価を顕にする。

ステアリングは重く、ヘアピンでは扱いにくさを拭えないが、タイトすぎないカーブならシャープに旋回。猛スピードで坂を下る命知らずのサイクリストへ驚きつつ、見通しの良い区間では操る自信が高まっていく。
クロームメッキのゲートから伸びるシフトレバーは、少し力が必要なものの、動き自体は滑らか。フェラーリの狙い通り、カチカチと鳴らしつつ素早くギアを切り替えられる。











































































































































