3列目も広く快適に メルセデス・ベンツ新型『GLB』初公開 乗り心地と使い勝手が向上、来月正式デビューへ

公開 : 2025.11.13 07:25

2代目となる新型メルセデス・ベンツ『GLB』の画像が公開されました。12月8日のデビューを前に、極寒の冬季条件下でのテストを実施。氷に覆われた箱形シルエットと、大型スクリーンを備えたインテリアが確認できます。

7人乗りコンパクトSUVの2代目

メルセデス・ベンツは、来月発表予定の新型『GLB』の画像を初めて公開した。2代目となる同モデルでは、内燃機関と電動パワートレインの両方が用意される。

同社は新型GLBについて、初代モデルから「大幅な進化」を遂げたとし、特にインテリアの大幅な改良を強調している。

極寒環境下でのテストに臨む新型『GLB』
極寒環境下でのテストに臨む新型『GLB』    メルセデス・ベンツ

注目すべきは、新型CLAと同様の大型スクリーンを採用した点だ。10.25インチのインストゥルメントクラスター、14インチのタッチスクリーン、14インチの助手席用ディスプレイを統合した『MBUXスーパースクリーン』が主な特徴となっている。

また、新デザインのステアリングホイールも導入。ロッカースイッチや物理スイッチが復活した。こうしたレイアウトは新型GLCで導入され、将来的には全モデルに展開される予定だ。

メルセデス・ベンツは快適性も向上させたと説明している。後席乗員のレッグスペースとヘッドルームが拡大し、特に太もも部分へのサポート性が向上しているという。前席乗員のヘッドルームも拡大した。

さらに、後部ベンチシートの調整機能が強化され、2列目のレッグスペースを広くしたり、3列目(7人乗り仕様車)にゆとりをもたせたりすることができる。背もたれの角度も調整可能で、快適性が向上している。3列目シートへの乗り込みも容易になったという。

CLAやGLCと同様に、新型GLBには大型パノラミックサンルーフがオプション設定される。このサンルーフには、イルミネーションでスリーポインテッドスターを表現する機能がある。

外観では、2019年に発売された現行モデルと同様のボクシーなシルエットを維持しつつ、全長・全高・全幅がわずかに拡大され、これにより車内空間が広くなっている。

EVとマイルドハイブリッドを設定

メルセデス・ベンツが公開した画像では、GLBのプロトタイプがドイツ・ジンデルフィンゲンのテスト施設で、冬季条件下での試験を行っている様子が確認できる。試験の一環として、車両は摂氏マイナス40度の極寒に晒されている。

新型GLBは、より力強いフロントデザインと新しいライトシグネチャーを採用する見込みだ。プラットフォームも、現行のモジュラー・フロント・アーキテクチャー(MFA)から新開発の『メルセデス・ベンツ・モジュラー・アーキテクチャー(MMA)』へ移行する。

新型『GLB』の3列目シート
新型『GLB』の3列目シート    メルセデス・ベンツ

新型GLBの英国価格は約4万5000ポンド(約915万円)からと予想され、アウディQ3BMW X1と競合する。CLAと同様に内燃機関搭載バージョンとEVバージョンが販売される予定で、いずれも『GLB』の名称を採用するため、従来の『EQB』の名称は廃止となる。

さらに魅力を高めるため、スタイリングオプションも拡充される予定だ。2019年に公開された初期のGLBコンセプトに似た、タフな外観を備えたオフロードパッケージも含まれる。

新型の開発に関わった関係者がAUTOCARに明かしたところによると、この動きは、購入者がSUVモデルに対しオフロード志向の強い外観を求めていることを受けたものだという。

GLBのEV版は、現行EQBの400V電気システムから、より先進的な800Vシステムへと移行する。これをベースに、シングルモーターの後輪駆動モデルと、デュアルモーターの四輪駆動モデルを展開する。出力は約230psから360ps程度、バッテリー容量は58kWhから85kWhの範囲となる見込みだ。

EV版が主役として販売されるが、マイルドハイブリッド仕様のガソリン車も用意される。こちらには吉利汽車とルノーが所有するエンジン専門メーカー、ホース(Horse)社製の1.5Lターボ直列4気筒エンジンが搭載される。出力は約138psから193psで、前輪駆動が標準となり、四輪駆動は上級グレードに設定されるだろう。

新型GLBは12月8日に正式発表され、EV版は2026年初頭、マイルドハイブリッド版は同年末までに発売される予定だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    役職:ニュース編集者
    ニュース編集者としての主な業務は、AUTOCARのニュースの方向性を決定すること、業界トップへのインタビュー、新車発表会の取材、独占情報の発掘など。人と話したり質問したりするのが大好きで、それが大きなニュースにつながることも多い。これまで運転した中で最高のクルマは、アルピーヌA110。軽快な動きと4気筒とは思えないサウンドが素晴らしい。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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