【実はフルモデルチェンジ】出足好調の新型三菱デリカミニは幅広く使えるオールラウンダー!デリ丸パッケージはマストアイテム?

公開 : 2025.11.19 11:25

フルモデルチェンジを受け2代目となった三菱デリカミニに、篠原政明が試乗します。試乗車はデリ丸パッケージを装備し300万円近い価格と、軽自動車としては高めの設定となりますが、それだけ中身は充実しているようです。

従来型を踏襲しているが、けっこう違う

新型『三菱デリカミニ』の販売は、なかなか出足好調のようだ。発売は10月29日だったが、それまでの受注台数は1万台をオーバーしている。そんなデリカミニにようやく試乗することができた。

スタイリングは基本的に従来型をキャリーオーバーしているが、実はよく見るとけっこう違う。イメージキャラクター『デリ丸。』を彷彿とさせる顔つきは半円形LEDポジションランプが大型化され、ヤンチャな瞳が少し強調された。グリルも新デザインになっている。

フルモデルチェンジを果たし2代目となった三菱デリカミニに試乗。
フルモデルチェンジを果たし2代目となった三菱デリカミニに試乗。    平井大介

サイドビューではフロントウインドウを立ててルーフ前端を約10cm伸ばし、クラストップレベルの室内空間を確保した。従来型で特徴的だったDピラーのキックアップを廃したのは、幅広のDピラーで骨太な印象を与えるためだという。

シルエットは他の軽スーパーハイトワゴンと見分けがつきにくくなったが、サイズに制限のある軽自動車で効率を追求すれば、同じようなシルエットになってしまうのは仕方ないことかもしれない。

今回の試乗車は、トップグレードとなるT(ターボエンジン)プレミアム 4WD『デリ丸パッケージ』。10月末の段階で受注の約4割がこのグレードを占めるという。ちなみに、4WDの比率は53%と軽スーパーハイトワゴンとしてはかなり高く、またデリ丸パッケージ装着率も67%と3分の2を占めている。

このあたりは新車効果もあるのだろうが、やはりデリカミニなら4WD、装備もしっかり充実させたいというユーザーの思いが感じられる。

できれば装着したいデリ丸パッケージ

インテリアは大きく変わった。試乗車は前述のデリ丸パッケージ装着車で、12.3インチディスプレイ採用のグーグル搭載インフォテインメントシステム、3Dマルチアラウンドモニター、デジタルルームミラー、前後ドライブレコーダー、ETC 2.0、セキュリティアラーム、そしてミツビシコネクトなどを標準装備しているので、もはやオプションは不要といった内容。しかも軽乗用車とは思えない上質な雰囲気だ。

このデリ丸パッケージを装着すると車両価格は52万3000円高となるが、デリカミニと存分に付き合いたいなら装着したいところ。リセールバリューも高くなるだろう。

Aピラーは運転席から見ると細く見えるが(左)、実際はもっと太い(右)。
Aピラーは運転席から見ると細く見えるが(左)、実際はもっと太い(右)。    平井大介

運転席からの視界は良い。Aピラー前のサブピラーは形状を工夫して運転席からは細く見えるので、右折時などの斜め視界もあまりスポイルされていない。

今回の試乗コースは信号もあまりない郊外路で、40〜60km/hくらいで走るシチュエーションが大半。オートバイがツーリングに来るような適度なワインディングロードも含まれていた。

パワーユニットはマイルドハイブリッドが廃されたが、CVTをチューンしたこともあり、発進からモタつくこともなく軽快。過度な回転上昇を抑えたというだけあって、アクセルペダルを踏み込んでも必要以上にエンジン回転を上げることなく加速してくれる。

郊外路では3000rpm前後の回転数で走ることが多いが、ノイズは比較的おさえられている。軽スーパーハイトワゴンでは初採用した特殊遮音フィルムガラスや二層遮音シート、ドア下端シーリングなどによる遮音効果が効いているようだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    篠原政明

    Masaaki Shinohara

    1958年生まれ。某自動車雑誌出版社をめでたく? 卒業し、フリーランスのライター&エディターに。この業界に永くいるおかげで、現在は消滅したものを含めて、日本に導入されている全ブランドのクルマに乗ってきた……はず。クルマ以外の乗りものもけっこう好きで、飛行機や鉄道、さらには軍事モノにも興味があるらしい。RJC会員。
  • 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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