満ちる安心感と幸福感 ロールス・ロイス・カマルグ(2) 特定の角度が美しい長大ボディ
公開 : 2025.12.07 17:50
相当な速度域でも保たれる快適性
オーナーの主張の通り、この時代のロールス・ロイスの中で、カマルグは特に運転しやすい。V8エンジンはほぼ無音で回り、豊かなトルクで加速はシームレス。助手席の人へ不安を与えるほど、積極的でもない。
シフトセレクターでDを選べば、3速ATの変速は彼方の出来事。ステアリングホイールは、軽く回せるが曖昧ではない。その気になれば、上品さを損なわない程度の限界領域まで、カマルグを急き立てられる。

ブレーキは驚くほど効き、望んだ制動力を引き出しやすい。コイルスプリングながらセルフレベリング機能付きのサスペンションは、ソフトな乗り心地を提供しつつ、引き締まった姿勢制御を両立。タイヤが、軽いスキール音を立てる。
アンダーステアやボディロールは、ギリギリまで抑え込まれている。相当な速度域でも、快適性が保たれることへ感心してしまう。
富裕層のためのパーソナル・ラグジュアリー
カマルグは、より高性能なベントレー版も検討された。だが、オイルショック後の世界では、200km/hで充分と判断された。スピードは、絶対的なものとはいえなかった。
重視されたのは、充足感の高い快適性。自分で運転したいと考える富裕層のための、パーソナル・ラグジュアリー。果たして、狙い通りの仕上りが叶えられている。

協力:スティーブ・プレベット氏、WDウィンズ社
ロールス・ロイス・カマルグ (1975〜1986年/英国仕様)のスペック
英国価格:2万9000ポンド(新車時)/9万ポンド(約1836万円)以下(現在)
生産数:534台
全長:5170mm
全幅:1918mm
全高:1473mm
最高速度:193km/h
0-97km/h加速:9.6秒
燃費:3.9-5.3km/L
CO2排出量:−g/km
車両重量:2313kg
パワートレイン:V型8気筒6750cc 自然吸気OHV
使用燃料:ガソリン
最高出力:非公開
最大トルク:非公開
ギアボックス:3速オートマティック/後輪駆動






























































































































