自動車専門誌が選ぶ、21世紀を代表するクルマ 25選(前編) 2000~2010年
公開 : 2025.10.26 11:25
激動の2000年代。自動車業界にもさまざまな出来事がありましたが、多大な影響力を持つクルマも多数登場しました。今回は過去25年間を振り返り、各年を象徴するメモリアルなモデルを1台ずつ紹介します。
もくじ
ーまだSUVもテスラもなかった時代から一変
ー2001年:ミニ
ー2002年:ポルシェ・カイエン
ー2003年:ロールス・ロイス・ファントム
ー2004年:アストン マーティンDB9
ー2005年:ブガッティ・ヴェイロン
ー2006年:日産キャシュカイ(日本名:デュアリス)
ー2007年:フィアット500
ー2008年:フォード・フィエスタ
ー2009年:フェラーリ458イタリア
ー2010年:メルセデス・ベンツSLS AMG
まだSUVもテスラもなかった時代から一変
21世紀に入ってまだ25年しか経っていないが、すでに驚くべき画期的な新型車が数多く登場している。
この25年間は振り返るべき出来事がたくさんある。21世紀が始まった頃、SUVはまだ目立たず、フォードがランドローバーを買収したばかりで、テスラもまだ誕生していなかった。電気自動車(EV)を運転するという発想自体が遠い未来の幻想に過ぎなかった。

この記事では、21世紀の最初の25年間を象徴する25台のクルマをピックアップしている。最良でも最速でもベストセラーでもなく、最も重要なクルマである。各年1台ずつ選び、同一ブランドは1回のみの選出というルールを設けた。
それでは年代順に紹介しよう。
(翻訳者注:各モデルの価格や装備は英国仕様または欧州仕様に準じます。)
2001年:ミニ
過去の象徴的なモデルを現代に蘇らせるのは難しい。必ず「本物ではない」と批判する人が現れる。BMW傘下で復活したミニ(開発は主にMGローバーの残存部門が担当)に対しても、大きすぎる、高すぎる、洗練されていないとの声が上がった。しかし、25年経った今、コンパクトで運転が楽しく、レトロなスタイルのプレミアム車という現代のミニの方向性が正しかったことは明らかだ。
コンセプトはシンプルそのものだが、ミニの真価は巧妙なエンジニアリングにある。フォルクスワーゲンのニュービートルはゴルフの派生だったが、ミニは独自のプラットフォームを採用。これによりスタイリングとパッケージングに徹底的にこだわることができ、楽しい走りを実現したのだ。

ミニはスタイリングによって幅広い人気を集めながら、ドライビング・ダイナミクスによって愛好家の支持を確固たるものにした。ショートオーバーハング、高剛性のボディ構造、クイックな電動油圧式ステアリングが独特な走りを生み出し、2001年のAUTOCAR英国編集部のロードテストでは「これまで経験した中で最高のFFシャシーの1つ」と評された。
ミニの意義は、「レトロ」を正しく実現した点にある(多くの他社が失敗した手法とは対照的だ)。21世紀にふさわしい、洗練された強力な製品として成功したのだ。その成功を基盤として、現在のブランドは築かれている。
2002年:ポルシェ・カイエン
2002年にカイエンが登場するまで、ポルシェは卓越したスポーツカーを専門的に販売していたが、それらは必ずしも収益性の高いモデルとは限らなかった。数年前にはボクスターに経営を救われたばかりが、繁栄のためにはさらなる多角化が必要とされた。
BMWのX5が、4WD車でも高級車になり得ると証明したように、ポルシェはSUVもスーパーカーになり得ると証明しようとした。そこで登場したのがカイエンだ。

ツインターボV8エンジンから最大450psと63kg-mのトルクを絞り出し、0-100km/h加速は5秒台半ばを達成。当時の5人乗り乗用車としては最速クラスの1台となった。操縦性も抜群だった。優れたデフとパワーマネジメント・システムがコーナリング性能を高め、四輪駆動システムのリアバイアスのパワー配分は911の魂を継承している。
市街地での乗り心地は良好で、後部には3席のシートと大きなトランクを備え、ランドローバー・ディスカバリーに引けを取らないオフロード性能も有している。まさに革命的な存在だった。











































