1970年代の名車ロータス『エスプリ』が現代に復活 ツインターボV8で400ps 50台限定の最新レストモッド

公開 : 2025.12.08 11:45

1970年代の雰囲気とデジタルを融合

インテリアは新旧の融合だ。10.1インチの縦型インフォテインメント・スクリーンと、10.25インチのドライバーディスプレイを搭載。それに木製シフトノブ、1970年代風のバックミラー、オリジナルのウインカーレバーを組み合わせている。

衝突安全性の向上にも取り組んでおり、一体型のカーボンファイバー製ロールケージを装着した。レーン氏によると、「オリジナルのエスプリには横転保護装置がなかったため、横転させるのは絶対に避けたい」からだという。

アンコール社のレストモッド『シリーズ1』
アンコール社のレストモッド『シリーズ1』    アンコール

「アンコールは車両を徹底的に分析し、改善することができました」とアイブス氏は力を込める。

デュラント氏は、「製品がどうあるべきかをチームで議論しました。可能な限りピュアな状態から始め、そこからどこまで洗練できるかを試したかった」と語った。

「時代が大きく進み、技術も大きく進歩しました。わたし達が採れる選択肢は、かつて車両開発に取り組んだ(ロータスの)チームが持っていた選択肢とはまったく異なるものです」

デュラント氏によると、開発中、チームは「これほど愛される象徴的なマシンに対して非常に強い責任感」を抱き、「絶対的な敬意をもって扱う」ことを常に意識していたという。

法規制の制限を受けながら新しいクルマを作るのではなく、1970年代に設計されたクルマを改良することについて記者に問われると、デュラント氏は「素晴らしいことです」と答えた。

「法規制は確かに、特定の方向へ押しやるものです。結果として、オリジナルの純粋さが薄められたものになってしまいます」と同氏は語る。絞り込むようなアンダーボディやノーズの高さなど、今日では禁止されるような要素こそが「誰もが愛し、求めるプロポーション」だという。

「巨大な技術的制約がラインの自由を阻む中、ここまで低く過激なデザインを実現するのは極めて困難です。だからこそ、このようなクルマを開発できたのはまさに至福の体験です」

アンコール・シリーズ1の価格は、ドナー車両のS4 V8の調達費用を除いて43万ポンド(約8900万円)とされ、わずか50台のみ販売する計画だ。ロータスが生産したオリジナルのエスプリS1は約800台である。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    役職:ニュース編集者
    ニュース編集者としての主な業務は、AUTOCARのニュースの方向性を決定すること、業界トップへのインタビュー、新車発表会の取材、独占情報の発掘など。人と話したり質問したりするのが大好きで、それが大きなニュースにつながることも多い。これまで運転した中で最高のクルマは、アルピーヌA110。軽快な動きと4気筒とは思えないサウンドが素晴らしい。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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