新時代は人気SUVから BMW iX3 50に初試乗 技術は飛躍的な進歩 UK編の第一印象は?

公開 : 2025.12.11 18:05

低く軽いBMWが登場する日が待ち遠しい

僅かな時間ながら、スペインのアスカリ・サーキットでの試乗もできた。アンダーステア傾向ではあるものの、アクセルペダルへ力を込めればラインを引き締められ、高い速度域でも安定性に長け、基本性能の高さを感じさせた。質量は見事に隠されている。

iX3をサーキットに持ち込むオーナーは少ないはず。しかし、このプラットフォームをベースにする、より低く軽いBMWが登場する日を楽しみにさせるものだった。

BMW iX3 50 xドライブ Mスポーツ・プロ(欧州仕様)
BMW iX3 50 xドライブ Mスポーツ・プロ(欧州仕様)

電費はWLTP値で6.6km/kWhと優秀だが、好条件ではないルートを走らせた試乗では5.0m/kWhほど。改めて計測してみたい。急速充電は、最大で400kWに対応する。

好発進を切ったノイエクラッセ

丸くはないステアリングホイールや、タッチモニター中心のインターフェイスなど、気になる点はゼロではない。しかし、ノイエクラッセの先鋒、iX3の第一印象は概ねかなりポジティブ。EVとしての性能は素晴らしく、サルーンのi3の仕上がりも予見させる。

新世代の特長といえる部分は、先代のiX3でも実現していた部分ではある。それでも運転体験は一層シャープで、電費は恐らく優秀。インテリアもスマートで好ましい。21世紀のノイエクラッセは、好発進を切ったといっていい。

BMW iX3 50 xドライブ Mスポーツ・プロ(欧州仕様)
BMW iX3 50 xドライブ Mスポーツ・プロ(欧州仕様)

◯:技術の飛躍的進歩を感じる 好印象な運転体験
△:内装のプラスティック製部品の質感 ハードスイッチが殆どない車内

BMW iX3 50 xドライブ Mスポーツ・プロ(欧州仕様)のスペック

英国価格:6万2755ポンド(約1280万円/試乗車)
全長:4782mm
全幅:1895mm
全高:1635mm
最高速度:209km/h
0-100km/h加速:4.9秒
航続距離:804km
電費:6.6km/kWh
CO2排出量:−g/km
車両重量:2285kg
パワートレイン:AC非同期モーター(前)+他励同期モーター(後)
駆動用バッテリー:108.7kWh
急速充電能力:400kW(DC)
最高出力:468ps
最大トルク:65.6kg-m
ギアボックス:1速リダクション/四輪駆動

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    役職:編集委員
    新型車を世界で最初に試乗するジャーナリストの1人。AUTOCARの主要な特集記事のライターであり、YouTubeチャンネルのメインパーソナリティでもある。1997年よりクルマに関する執筆や講演活動を行っており、自動車専門メディアの編集者を経て2005年にAUTOCARに移籍。あらゆる時代のクルマやエンジニアリングに関心を持ち、レーシングライセンスと、故障したクラシックカーやバイクをいくつか所有している。これまで運転した中で最高のクルマは、2009年式のフォード・フィエスタ・ゼテックS。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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