ポルシェ356にジャガーCタイプ フィアット・パンダまで 審査員は自分 ツール・オブ・ウェールズ(2)

公開 : 2026.01.11 17:50

参加者で優勝を決める英国のコンクール・デレガンス 雨の山道を攻めるクラシックカー ボディや内装が汚れてもお構いなし クルマは走るためにある UK編集部が由緒あるイベントへ潜入

ポルシェ356 B(1959年式)

オーナー:ヴィルヘルム・シュミット氏

最も情熱を注いできたのは、ブリストルの直6エンジンだと話すシュミット。「あのエンジンを積んだクルマは、3台持っています。BMWで働いていたんですが、基本的には同じエンジンといえます」

ヴィルヘルム・シュミット氏のポルシェ356 B(1959年式)
ヴィルヘルム・シュミット氏のポルシェ356 B(1959年式)

その後、ポルシェ911 Sを購入。素晴らしさへ気付き、356を探したそうだ。「ロードスターを選びました。スピードスターのような存在感と、雨をしのげるソフトトップが備わります。ウェールズの雨には耐えられず、車内はグショグショになりましたけど」

「でも、素晴らしい友情も生まれました」。と話す彼は、356 Bを7年前に購入。2年を費やしレストアしたという。「スイスのアーミーナイフのように、どんな旅もこれで大丈夫。信頼できるクルマです」。自分と同い年で、36万kmのMGBも持っているとか。

フィアット・パンダ 4x4(1997年式)

オーナー:フリッツ・バーカード氏

「これはスーパーカーですよ」。バーカードが、嬉しそうに最高出力50psのパンダを見つめながら話す。「とても素晴らしいね。小回りが効いて速い。ウェールズのでこぼこ道にもぴったりです。沢山の条件を満たしています」

フリッツ・バーカード氏のフィアット・パンダ 4x4(1997年式)
フリッツ・バーカード氏のフィアット・パンダ 4x4(1997年式)

こう力説する彼だが、実はツール・オブ・ウェールズにはドライエ135Mで参加していた。ところが2日目に故障。しかし彼の娘も、パンダ 4x4で同じイベントへ参加しており、合流することになったらしい。

「時代の異なるクルマを乗り比べると、特長を深く理解できます。個性が豊かなら、速さや高級感は重要ではないと思うんです。大切なのは運転の感覚。パンダはゴーカートのようで、他のクルマと互角に走れます。とても楽しい。スーパーカーのように」

メルセデス・ベンツ300b「アデナウアー」(1954年式)

オーナー:ジム・ジョーンズ氏/ジャネット・ジョーンズ氏

全長が5mもある、4ドアの300b カブリオレは、ウェールズ州のワインディングへ不向きといえる。「車重は2t近くあって、パワステはありません。それでも、素晴らしい冒険でした」。と笑う夫妻は、このイベントのためにアメリカから飛んで来た。

ジム・ジョーンズ氏/ジャネット・ジョーンズ氏のメルセデス・ベンツ300b「アデナウアー」(1954年式)
ジム・ジョーンズ氏/ジャネット・ジョーンズ氏のメルセデス・ベンツ300b「アデナウアー」(1954年式)

亡くなった友人の夫から、アデナウアーを引き継いだと振り返る。「これを買って、アメリカを出たのは今回が初めて」。と話す2人は、欧州各地の主要なコンクール・デレガンスにも参加する予定。生前は、一緒にこのクルマで多くの旅をしたらしい。

ある時、軽いレストアのつもりで点検に出すと、重大な不具合が見つかり復調へ4年が費やされた。「こんなクルマを普段使いしていると、驚かれることもあります。でも、もともとは乗って楽しむためのもの。友人と一緒だった時間も蘇るようです」

記事に関わった人々

  • 執筆

    ライアン・スタンデン

    Ryan Standen

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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