航続距離926kmへ メルセデス・ベンツ『EQS』が大幅改良 オプションにステアバイワイヤ追加でヨーク型採用

公開 : 2026.04.15 17:05

メルセデス・ベンツは高級EV『EQS』の改良モデルを公開しました。パワートレインの効率化と空力に優れたデザインにより、航続距離は最大926kmへと向上。オプションでステアバイワイヤも追加されました。

パワートレインと空力効率を改善

メルセデス・ベンツの高級EV『EQS』が改良を受け、新しいデザインと高効率のバッテリー、新しいエアサスペンションを獲得した。これにより、1回の充電での航続距離を約900kmに伸ばした。

今回の改良における最大のポイントは、エネルギー密度を3%向上させた新しいバッテリーだ。総容量は118kWhから122kWhへと増加したが、ユニットのサイズや重量は変わらない。

改良型EQS
改良型EQS    メルセデス・ベンツ

容量の増加に加え、効率向上のためのさまざまな改良により、後輪駆動の『EQS 450+』の公称航続距離(WLTP)は13%延長され、926kmとなった。これは欧州の市販EVとしては最長クラスで、米ルーシッドが販売するエア・グランドツーリングにわずかに及ばない数値だ。

一方、デュアルモーター仕様の航続距離は876kmに延長された。

引き続きEVA2プラットフォームを採用しているが、電気システムを400Vから800Vへと昇圧した。これにより、最大充電速度は200kWから350kWに向上。ただし、400Vの公共充電器も引き続き使用可能で、バッテリーを「仮想的に」2つに分割して充電する能力を備えている。

ステアバイワイヤをオプション設定

電気モーターは従来モデルから「世代を超えた飛躍」を遂げたとされる。小型化、高効率化、堅牢性の向上を実現し、減速時の回生エネルギー量は約30%増の385kWに達している。

その他、新しいオプションとしてステアバイワイヤ・システムが用意されている。機械式ステアリングコラムを電気的なリンケージに置き換え、省スペース化と軽量化を図り、ロック・トゥ・ロックの範囲はわずか270度となる。そのため、ステアリングホイールはヨーク(操縦桿)型に変更される。

改良型EQS
改良型EQS    メルセデス・ベンツ

新型『GLC』や改良型『Sクラス』と同様、エアマティック・エアサスペンションのアップグレード版が採用されており、クラウドからのデータを活用して、路面の凹凸やスピードバンプに備えてダンパーを事前調整することができる。

旋回が難しい狭い場所で使用する自動後退機能も追加された。ヘッドライトは、消費電力を50%削減しながら、照射範囲を40%拡大。さらに、フロントエンドは空力効率を高める形状に変更されている。

シートベルトにはヒーターが内蔵され、寒冷時には44度まで温めることができ、「即座の快適性だけでなく、ブランド特有の『帰宅したような』温もり」を提供するという。

欧州では、納車は今年下半期に開始される予定だ。価格は未確認だが、現行型よりも若干上昇すると見込まれている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    役職:副編集長
    AUTOCARの若手の副編集長で、大学卒業後、2018年にAUTOCARの一員となる。ウェブサイトの見出し作成や自動車メーカー経営陣へのインタビュー、新型車の試乗などと同様に、印刷所への入稿に頭を悩ませている。これまで運転した中で最高のクルマは、良心的な価格設定のダチア・ジョガー。ただ、今後の人生で1台しか乗れないとしたら、BMW M3ツーリングを選ぶ。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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