『アストン マーティン・ヴァンキッシュ』登場から25年 3世代に渡るフラッグシップ・スーパーGTの歴史

公開 : 2026.05.09 11:45

2代目ヴァンキッシュ(2012-2018年)

2012年、翌年の生産開始を前に2代目ヴァンキッシュが初公開された。初代ヴァンキッシュ後継車にあたるフラッグシップモデルはDBSとなったため、再び車名が復活した形だ。

ここからデザインが新世代に突入し、一新されたエクステリアはハイパーカー『One-77』の影響を受けたもの。航空グレードのカーボンファイバー製ボディパネルが使用され、DBSよりボディ重量を25%軽減した。

2代目ヴァンキッシュ(2012-2018年)
2代目ヴァンキッシュ(2012-2018年)    アストン マーティン

6.0リッターV12エンジンは大幅に改良が加えられ、大きくなったスロットルボディ、アストン マーティン初のデュアル可変バルブタイミング、新しい燃料ポンプとエアボックスなどを採用。

最高出力565bhp/最大トルク457lb(63.07kg-m)のスペックとなり、0-62mph加速は4.1秒、最高速度は183mph(294.5km/h)に到達。

ブレーキに採用されカーボンセラミックマトリックスは減速時のフェードを抑制し、放熱を向上させた。

また、DBS同様にオープン版のヴォランテもラインナップ。最高出力600nhp、最高速度201mph(323.5km/h)のSバージョンも登場した。

3代目ヴァンキッシュ(2024年-現在)

3代目となる現行ヴァンキッシュは、2024年にデビューした。年間1000台以下の限定生産で、『ウルトララグジュアリーの特別なアイコンとして王座に君臨』しているとアストン マーティンは自負している。

新型5.2LツインターボV12エンジンは最大出力835ps、最大トルク1000Nmを発揮。3.3秒の0-100km加速を実現する。345km/hの最高速度は、デビュー当時、アストン マーティン量産モデル最速だった。

3代目ヴァンキッシュ(2024年-現在)
3代目ヴァンキッシュ(2024年-現在)    アストン マーティン

DB12ヴァンテージと同様、接合アルミシャシーにダブルウィッシュボーン式フロントサスペンションとマルチリンク式リアサスペンションを採用。

カーボンセラミックブレーキを標準装備とし、フロント410mm、リア360mmのディスクから構成されるCCBシステムによって、ブレーキ性能向上、最大800度までのフェード抑制、バネ下重量の大幅な軽量化を実現している。

外観のデザイン言語は一新され、Aピラーとフロントアクスルの間が80mm長くなったことでボンネットが伸び、『粋でドラマチックな輪郭』を描き出しているという。

ヴァンキッシュの名が持つ意味

現在までの3世代にわたるヴァンキッシュと、四半世紀前に名付けられたその名が持つ重要な意味を振り返り、アストン マーティンの歴史専門家であるスティーヴ・ワディンガム氏は次のように語っている。

「辞書で『vanquish』と引いてみると、個人的な意見ではありますが、英語という言語において最も素晴らしい語義を見ることができます。類義語としては『conquer』(征服する)や『overwhelm』(圧倒する)などが挙げられますが、広い意味で言えばこれこそが、この名を授けられた最初のアストン マーティンが、競合相手についてもオーナーとなる人々の心についても、目指したものでした。

アストン マーティンのフラッグシップ、『ヴァンキッシュ』。その歴史は今も続いている。
アストン マーティンのフラッグシップ、『ヴァンキッシュ』。その歴史は今も続いている。    アストン マーティン

この類まれなるアストン マーティンのフラッグシップスーパーGTの2代目、そして現在の3代目も、その目標を満たすモデルであり続けています。この25年間、ヴァンキッシュと関わってきたすべての人が、自分たちの生み出したクルマに誇りを持っていいと思います。

どのアストン マーティンも、言うまでもなく、希少で特別な存在です。ですが、ヴァンキッシュのようにそれぞれに個性がある極めて優れた3つの世代を通して成長し、発展することは、さらに格別な功績であり、今このフラッグシップモデルの25周年を祝うのは、至極当然のことだと思います」

記事に関わった人々

  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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