英国スポーツカーメーカー『ウェストフィールド』事業売却 新モデル開発に本腰、ドイツへ工場移転か

公開 : 2026.06.05 07:05

スペアパーツ供給と新型車開発に注力

トゥニッセン氏はすでにウェストフィールドに精通した英国企業2社と交渉中で、まもなくそのうちの1社を英国拠点として選定する予定だ。

目標は、入手困難になっているスペアパーツをできるだけ迅速に供給できるようにすること、そして高騰しつつあるコストを抑えることだ。将来的には、新しい生産施設を稼働させ、顧客からの要望に合わせたレーシングカーを開発する意向だ。

ウェストフィールド・スポーツ250
ウェストフィールド・スポーツ250

これまでウェストフィールド自身もそうした点を認識していたが、完成度の高いモデルを市場投入することは叶わなかった。新オーナーのドライビング・ファンは、シャシーとエンジンの開発に充てられた「数百万ポンド」もの投資の成果をある程度活用できる見込みだ。

トゥニッセン氏は8月21日から23日にかけて、サーキット・メッペンにてウェストフィールドのオーナーズミーティングを開催し、自身の意欲と展望を示す予定だ。「来場者に良いものを見せられるよう」全力で準備に取り組むと述べている。

詳細はまもなく新ウェブサイトを通じて公開される予定だ。

ウェストフィールドの歴史

ウェストフィールドは1982年、エンジニアでありレーサー、そしてロータス愛好家でもあるクリス・スミス氏によって設立された。彼は、バーミンガムの西に位置するダドリーの自宅にちなんで、新会社をウェストフィールドと名付けた。

彼は当初、ロータス・セブンとロータスXIをベースにファイバーグラス製ボディを採用し、部分的に改良したモデルの生産を開始したが、数年後にはケータハムとの法的トラブルに巻き込まれた。ケータハムのオーナーであるグラハム・ニアーン氏は、ロータスの創設者コリン・チャップマン氏から直接セブンの権利を購入していたのだ。

ウェストフィールドはこれまでにも何度か経営難と売却を経験している。
ウェストフィールドはこれまでにも何度か経営難と売却を経験している。

和解のためにウェストフィールド・セブンのデザインが変更され、ウェストフィールドSEとなった。これは同社で最も成功したモデルであり、つい最近まで生産が続けられていた。

2007年、スミス氏はウェストフィールドの事業をルーカス・エアロスペースの元取締役フランク・ターナー氏に売却した。ターナー氏は息子のジュリアン氏と共に、自動車生産を継続しつつ、エンジニアリング事業も展開した。

ターナー親子の下、ウェストフィールドはヒースロー空港で有名な自動運転旅客ポッドを生産し、その後チェシルを買収したが、2022年に経営難に陥った。

3代目となる英国人オーナーによる経営は、主要投資家の突然の撤退によりわずか4年で終了し、今月ピーター・トゥニッセン氏のドライビング・ファンへと引き継だれた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    役職:編集長
    50年にわたりクルマのテストと執筆に携わり、その半分以上の期間を、1895年創刊の世界最古の自動車専門誌AUTOCARの編集長として過ごしてきた。豪州でジャーナリストとしてのキャリアをスタートさせ、英国に移住してからもさまざまな媒体で活動。自身で創刊した自動車雑誌が出版社の目にとまり、AUTOCARと合流することに。コベントリー大学の客員教授や英国自動車博物館の理事も務める。クルマと自動車業界を愛してやまない。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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