惜しまれつつ日本での新車販売終了 マクラーレン750Sスパイダーとのラストラン(前編) 究極の域に達した機能美【スーパーカー超王、魂の執筆】

公開 : 2026.09.11 11:40

ダイナミックであると同時に極めて繊細な印象

現在の750Sシリーズへと続くスーパーシリーズのセカンドジェネレーションとして、マクラーレンがファーストモデルの『720S』を発表したのは2017年4月のことだった。

2023年4月に誕生した750Sはそのアップデート版で、マクラーレンによればこの時、構成部品の約30%が新設計されたというから、その進化の大きさは当時大きな話題となった。ミドシップの3994cc V型8気筒DOHCツインターボエンジンは720Sのそれからさらに30psのエクストラを得て、車名が示すとおり最高出力は750psへと強化。

現在の750Sシリーズへと続く『720S』を発表したのは2017年4月だった。
現在の750Sシリーズへと続く『720S』を発表したのは2017年4月だった。
    マクラーレン

その一方で車重は30kgが低減されたほか、エアロパーツの大型化などでダウンフォースの最大量も、同様の比較においては5%もの向上を果たしていた。

都心のビルにある地下駐車場で750Sスパイダーをピックアップして、まずはその魅力的なデザインを鑑賞するために地上を目指す。実際に太陽光の下で見る750Sスパイダーのボディデザインからは、ダイナミックであると同時に極めて繊細な印象を抱く。

それは『全てのデザインは機能に従う』というマクラーレンのデザイン哲学が、全てのパートに一点の曇りもなく感じられるためで、さらにその高い機能性を最小のパッケージで包み込む『シュリンクドラップ』と呼ばれる哲学もまた徹底している。

いわゆる機能美というものが究極の域に達した時、そこにはダイナミックでかつ繊細な、独特な造形が生まれるのだと改めて知らされた思いがした。

*マクラーレン750Sスパイダーとのラストラン(中編)に続きます。

記事に関わった人々

  • 執筆

    山崎元裕

    Motohiro Yamazaki

    1963年生まれ。青山学院大学卒。自動車雑誌編集部を経て、モータージャーナリストとして独立。「スーパーカー大王(超王)」の異名を持つ。フツーのモータージャーナリストとして試乗記事を多く自動車雑誌、自動車ウェブ媒体に寄稿する。特にスーパーカーに関する記事は得意。
  • 撮影

    佐藤亮太

    Ryota Sato

    1980年生まれ。出版社・制作会社で編集経験を積んだのち、クルマ撮影の楽しさに魅了され独学で撮影技術を習得。2015年に独立し、ロケやスタジオ、レース等ジャンルを問わない撮影を信条とする。現在はスーパーカーブランドをはじめとする自動車メーカーのオフィシャル撮影や、広告・web・雑誌の表紙を飾る写真など、様々な媒体向けに撮影。ライフワークとしてハッセルブラッドを使い、生涯のテーマとしてクラシックカーを撮影し続けている。佐藤亮太公式HPhttps://photoroom-sakkas.jp/ 日本写真家協会(JPS)会員
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

マクラーレン750Sスパイダーとのラストランの前後関係

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