【スーパーカー超王が斬る】絶対的安心感と圧倒的パフォーマンス!マクラーレン一気乗り(1)750S編

公開 : 2025.10.24 11:45

スーパーカー超王こと山崎元裕が、マクラーレンの最新モデルに一気乗り。クルマ作りの哲学そのものを知る素晴らしい機会となったと超王は感嘆します。まずはスーパーカーシリーズの750Sと750Sスパイダーです。

クルマ作りの哲学そのものを知る

現在のマクラーレンのプロダクトは、特別なカスタマーに向けての限定生産を前提とした『アルティメット』、ラインナップの中心的存在となる『スーパーカー』、そしてよりラグジュアリーで実用的な方向性を打ち出した『GT』の各シリーズで構成されている。

それぞれの現行モデルは、アルティメットが『W1』、スーパーカーは『750S』、『750Sスパイダー』、『アルトゥーラ』、『アルトゥーラ・スパイダー』、そしてGTは『GTS』ということになる。

マクラーレンのスーパーカー・シリーズ、750S(右)と同スパイダー(左)。
マクラーレンのスーパーカー・シリーズ、750S(右)と同スパイダー(左)。    マクラーレン・オートモーティブ

今回マクラーレン・オートモーティブは、この中からW1を除くすべてのモデルを用意したテストドライブプログラムを長野県の軽井沢で開催。それはマクラーレンの最新像はもちろん、クルマ作りの哲学そのものを知る素晴らしい機会になった。

最初にステアリングを握ったのは、スーパーカー・シリーズのトップモデルとなる、750Sと同スパイダーだ。

エクステリアのフィニッシュが特に刺激的だったのは、鮮やかなマクラーレン・オレンジのボディカラーに、フードエアインテーク、ドアミラー、サイドエアインテーク、リアフェンダーエアインテークからなるオプションのカーボンファイバーパッケージが選択され、さらにフロントフードのセンターにはやはりオプションのグロスビジュアルカーボンファイバーがあしらわれたスパイダー。

インテリアもそれに呼応するかのようにアルカンターラとナッパーレザーを組み合わせたパフォーマンス仕様となり、シートもカーボンシェルを持つレーシングバケットシートに身を委ねれば、走りへの期待感は一気に高まる。

コクピットではいつも冷静な精神状態にある

スーパースポーツをドライブする時には、誰もが特別な昂揚感に包まれるというのが一般的なイメージなのかもしれないが、マクラーレンのコクピットでその走りを楽しんでいる時の自分は、なぜかいつも冷静な精神状態にあるのは不思議だ。

その直接の理由となっているのは、この750S、750Sスパイダーを始め、マクラーレンがそのプロダクトのすべてでカーボンモノコックを基本構造体として採用していることで、この軽量でかつ強靭なモノコックから伝わる剛性感、そしてマンマシンの一体感が絶対的ともいえる安心感を生み出してくれるからだ。

マンマシンの一体感が絶対的ともいえる安心感を生み出してくれる。
マンマシンの一体感が絶対的ともいえる安心感を生み出してくれる。    マクラーレン・オートモーティブ

750Sシリーズに採用される、これもマクラーレン独自のサスペンションシステム、プロアクティブシャシーコントロールも常に自然な動きに終始する。ドライバーは750Sへの進化でメーターパネルの頂上へと移動し、さらに操作性を高めたセレクタースイッチを用いて、パワートレーンとシャシーの各々で『コンフォート』、『スポーツ』、『トラック』のモードを選択できるが、オンロードではスポーツが最も魅力的なセッティングに感じられた。

それでもなお十分にフラットな乗り心地が得られるのは、モノコックはもちろんのこと、サスペンション自体の剛性の高さも大きく貢献しているのは確かだろう。常にクイックで正確な印象を崩さないステアリングや、カーボンセラミックブレーキと鍛造アルミニウム製キャリパーの組み合わせによるブレーキのフィーリングも、750Sシリーズの走りをより魅力的なものに演出する。

記事に関わった人々

  • 執筆

    山崎元裕

    Motohiro Yamazaki

    1963年生まれ。青山学院大学卒。自動車雑誌編集部を経て、モータージャーナリストとして独立。「スーパーカー大王」の異名を持つ。フツーのモータージャーナリストとして試乗記事を多く自動車雑誌、自動車ウェブ媒体に寄稿する。特にスーパーカーに関する記事は得意。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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