【スーパーカー超王が斬る】今1台選ぶならマクラーレン750S!そのドライブはいつも感動体験

公開 : 2025.05.03 12:05

スーパーカー超王こと山崎元裕が、マクラーレン750Sを試乗します。今スーパーカーから1台選ぶならこの750Sとまで断言するほど、評価が高いようです。『たったひとつの解を具現化したモデル』への熱い思いを語ります。

一秒でも早くシートに身を委ねてみたい

久々に、マクラーレン750Sのステアリングを握った。ちなみにこの750Sは、それまでの720Sの進化型ともいえるモデルで、当然のことながら開発時にベンチマークとされたのは、その720Sそのものだ。

720Sでもその運動性能は誰をも驚かせるものだったが、ここから30%ものパーツを新設計するなど、徹底的な改良を施した750Sは、はたしてどのようなスーパースポーツに仕上がっているのか。一秒でも早くディヘドラルタイプのドアを開け、ドライバーズシートに身を委ねてみたい。キーを受け取ると、そのような感情が自然と湧き上がってきた。

720Sから進化を果たした最新モデル、マクラーレン750S。
720Sから進化を果たした最新モデル、マクラーレン750S。    佐藤亮太

その前に、まずは落ち着いてエクステリアでの変化を確認してくことにしよう。クーペとスパイダーが同時に発表された750Sだが、今回ドライブしたのは基本ボディともいえるクーペの方。

有機的で美しく、自然物のスタイルにインスピレーションを得たとマクラーレンが説明するスタイリングは、確かに流麗な抑揚を持つ、実に魅力的な造形を持つものだ。

エアロダイナミクスをさらに向上させるためフロントセクションのデザインはわずかに変化し、それに対応して可変式のリアウイングも、その表面積が20%も拡大されている。そもそもダウンフォースの前後バランスは、重量バランスに近い方が望ましいというのは個人的な見解だが、マクラーレンもまたそれに近い考えで、ダウンフォースの前後調整を行ってきたようだ。

快適性とともにダイナミックな走りを実現

マクラーレンがスーパーシリーズの歴代モデルに使用してきたプロアクティブシャシーコントロールも、720Sのそれからさらに進化を遂げ、サードジェネレーションへと変化した。

快適性とともにスーパースポーツとしてのダイナミックな走りを実現するこのサスペンションは、750Sのまさに大きな特長ともいえるもの。それが走りの中でどのようなインプレッションを伝えてきたのかは、後でまたくわしく報告することにしよう。

750psへとパワーアップした4LのV8ツインターボ。コクピット側から見ると、テールランプの赤に照らされていた。
750psへとパワーアップした4LのV8ツインターボ。コクピット側から見ると、テールランプの赤に照らされていた。    佐藤亮太

ミドに搭載されるエンジンは、車名に示されているように、さらなるチューニングによって最高出力が750psに向上した。一方で車重は1277kgと、720Sより30kg低い数字となるから、その加速にはさらなる鋭さが生み出されたのは言うまでもないところ。

ちなみにスペックシートに記載された0→100km/h加速は2.8秒という値で、期待の前に一瞬、恐ろしささえ感じてしまう。だが必要以上に心配することはないだろう。750Sにはフロントに6ピストン、リアには4ピストンのアルミニウム製キャリパーを組み合わせたカーボンセラミックディスクブレーキが装備されているのだ。その制動力には絶対の安心感がある。

記事に関わった人々

  • 執筆

    山崎元裕

    Motohiro Yamazaki

    1963年生まれ。青山学院大学卒。自動車雑誌編集部を経て、モータージャーナリストとして独立。「スーパーカー大王」の異名を持つ。フツーのモータージャーナリストとして試乗記事を多く自動車雑誌、自動車ウェブ媒体に寄稿する。特にスーパーカーに関する記事は得意。
  • 撮影

    佐藤亮太

    Ryota Sato

    1980年生まれ。出版社・制作会社で編集経験を積んだのち、クルマ撮影の楽しさに魅了され独学で撮影技術を習得。2015年に独立し、ロケやスタジオ、レース等ジャンルを問わない撮影を信条とする。現在はスーパーカーブランドをはじめとする自動車メーカーのオフィシャル撮影や、広告・web・雑誌の表紙を飾る写真など、様々な媒体向けに撮影。ライフワークとしてハッセルブラッドを使い、生涯のテーマとしてクラシックカーを撮影し続けている。佐藤亮太公式HPhttps://photoroom-sakkas.jp/ 日本写真家協会(JPS)会員
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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