進化型『788HS』誕生 マクラーレン750Sスパイダーとのラストラン(後編) 未来への道筋はどうなる?【スーパーカー超王、魂の執筆】

公開 : 2026.09.11 11:50

さらなる進化型『788HS』の誕生

セカンドジェネレーションのスーパーシリーズは、今回改めてドライブした750Sで究極形に至ったのだろうか。そう考えながら750Sスパイダーとの日々を過ごした後に、マクラーレンから驚きの発表があった。

それはさらなる進化型たる『788HS』の誕生だ。HSとはハイ・スポーツを意味する称号で、それはかつて『MP4-12C HS』や『MSO HS』に掲げられた経緯がある。

750Sのさらなる進化型、『788HS』がデビュー。HSはハイ・スポーツを意味する。
750Sのさらなる進化型、『788HS』がデビュー。HSはハイ・スポーツを意味する。    マクラーレン

788HSはクーペとスパイダーでそれぞれ100台、合計200台が限定生産される計画だが、やはり気になるのは日本市場での販売が実現するかどうかだろう。この原稿の冒頭で触れたとおりの理由で、この788HSを正規輸入モデルとして販売することは事実上不可能であるからだ。

しかしながらマクラーレン・ジャパンのホームページには、すでにこの788HSのインフォメーションが掲載されており、それを考えると何らかの策を講じて、日本のカスタマーにも788HSが納車される可能性は残されていると考えるべきなのだろうか。

788psを発揮する4LのV8ツインターボ

788HSのミドシップに搭載されるエンジンは、最高出力で788psを発揮する4LのV型8気筒ツインターボ。軽量な鍛造ピストンや超低慣性ツインスクロールターボチャージャー、ツイン燃料ポンプの採用などが、そのチューニングでも話題性を持つ部分だ。組み合わされるミッションは750Sと同様に7速SSGとされている。

車重は1265kgに抑えられ、これによってパワーウエイトレシオはマクラーレンの歴代スーパーシリーズの中でもトップの数字を達成することになった。ボディワークも788HSに独自のものだ。ボンネットにはSダクトが新設定されたほか、リアのアクティブスポイラーはさらに大型化、リアデフューザーやアンダーウイングパネルも独自のデザインとなる。

スーパーシリーズは、これからどのように進化していくのか?

マクラーレンによればダウンフォースは『765LT』と比較して、さらに10%の向上を果たしているという。プロアクティブシャシーコントロールにも専用のチューニングが施され、車高は750S比で5mm低く設定された。

前後のホイールはセンターロック式。フロントホイール内側には、アルティメット・シリーズの『セナ』から受け継いだカーボンセラミックブレーキディスクと、6ピストンの鍛造アルミニウムモノブロックキャリパーの姿が見える。

8月のモントレーで発表された、MTモデルとなる限定生産車『McL 6GT』。
8月のモントレーで発表された、MTモデルとなる限定生産車『McL 6GT』。    マクラーレン

マクラーレンのコアモデルともいえるスーパーシリーズは、これからどのように進化していくのだろうか。

この788HSの先に待つのはサードジェネレーションのスーパーシリーズであるはずなのだが、アブダビ政府が所有する『CYVNホールディングス』の100%子会社となり、新たなリーダー、ニック・コリンズCEOによって率いられているマクラーレンから、本稿執筆時点では、次期モデルや将来のモデルラインナップに関する発表は一切行われていない。

8月のモントレー・カーウィークでMTモデルとなる限定生産車、『McL 6GT』が発表されたのみだ。

本来ならば既にその道筋は見えていなければならないはずなのだが、筆者にとってそれは大きな心配事でもある。まずは、その発表を待ちたいと思う。

記事に関わった人々

  • 執筆

    山崎元裕

    Motohiro Yamazaki

    1963年生まれ。青山学院大学卒。自動車雑誌編集部を経て、モータージャーナリストとして独立。「スーパーカー大王(超王)」の異名を持つ。フツーのモータージャーナリストとして試乗記事を多く自動車雑誌、自動車ウェブ媒体に寄稿する。特にスーパーカーに関する記事は得意。
  • 撮影

    佐藤亮太

    Ryota Sato

    1980年生まれ。出版社・制作会社で編集経験を積んだのち、クルマ撮影の楽しさに魅了され独学で撮影技術を習得。2015年に独立し、ロケやスタジオ、レース等ジャンルを問わない撮影を信条とする。現在はスーパーカーブランドをはじめとする自動車メーカーのオフィシャル撮影や、広告・web・雑誌の表紙を飾る写真など、様々な媒体向けに撮影。ライフワークとしてハッセルブラッドを使い、生涯のテーマとしてクラシックカーを撮影し続けている。佐藤亮太公式HPhttps://photoroom-sakkas.jp/ 日本写真家協会(JPS)会員
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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