シグマ・ユニット有終の美を飾る限定25台 『ケータハム・セブン SV310 アンコール』 世界がより素晴らしい場所に思える

公開 : 2026.10.12 18:05

世界がより素晴らしい場所に思えてくる

牧歌的な丘陵地帯を縫うような、典型的なグレートブリテン島の一般道で、セブンに勝る運転体験を享受できるクルマはないといっていい。狭いコーナーを素早く旋回する場面でも、常に道幅には余裕が残る。

秋の訪れを感じながら、のんびり流すような走り方でも、すこぶる楽しい。移ろう景色とともに、路面に応じて上下するフロントフェンダーを周辺視野に入れつつ、自分の意図へ忠実な反応を堪能する。上品さも活発さも、乗り手次第だ。

ケータハム・セブン SV310 アンコール(英国仕様)
ケータハム・セブン SV310 アンコール(英国仕様)

セブンなら、街行く人の反応も温かい。信号で停まると、隣車線のドライバーから話しかけられることは珍しくない。サイクリストから、サムアップしてもらうこともある。ドライブを楽しむ度に、高揚感とともに、世界がより素晴らしい場所に思えてくる。

もっとも、ソフトトップの組み立ては少々面倒。買い物の足にはなりにくい。キットカーで注文しても、英国価格は3万9995ポンド(約832万円)とお安くはない。それでも、現行のスーパーカーやレストモッド・モデルより遥かに安く、価格価値は高い。

深くは落ち込まず別れの挨拶をしたい

こんな素晴らしいセブン SV310 アンコールで、最大の問題といえるのが、僅か25台という提供数。有終の美を飾るのに相応しい仕上がりだが、執筆時で在庫は極僅かだという。シグマ・ユニットの後継も、今のところ決まっていない。

多くのケータハム・ファンにとって、フォードの1.6Lエンジンこそ、ラインナップにおけるスイートスポットだったはず。もう選べないなんて、寂しすぎる。

ケータハム・セブン SV310 アンコールと筆者、ジェームス・ディスデイル
ケータハム・セブン SV310 アンコールと筆者、ジェームス・ディスデイル

とはいえ、軽自動車用エンジンに細いタイヤを組合せた、更に軽いセブン 170はまだある。猛烈な速さを叶えた、フォードのデュラテック・ユニットを載せたセブンも、まだ注文できる。深くは落ち込まず、別れの挨拶をしようと思う。

ケータハム・セブン SV310 アンコール(英国仕様)のスペック

英国価格:4万5339ポンド(約943万円/工場での完成車)
全長:3350mm
全幅:1635mm
全高:1115mm
最高速度:204km/h
0-100km/h加速:4.8秒
燃費:−km/L
CO2排出量:−g/km
車両重量:540kg
パワートレイン:直列4気筒1596cc 自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:154ps/7000rpm
最大トルク:17.1kg-m/5600rpm
ギアボックス:5速マニュアル/後輪駆動

ケータハム・セブン SV310 アンコール(英国仕様)
ケータハム・セブン SV310 アンコール(英国仕様)

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・ディスデイル

    James Disdale

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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