エッジ感のある乗用車用に近い印象 横浜ゴムの新スタッドレスタイヤ『アイスガード8 SUV』(試乗編)【タイヤの達人が解析】

公開 : 2026.10.04 07:50

氷上性能の良さで好評を博している、横浜ゴム・アイスガード8のSUVバージョン、『アイスガード8 SUV』が発売されました。最新SUVの高荷重、高速化に対応した専用構造が特徴です。タイヤの達人、斎藤聡が解析します。

重量級SUVの重さを受け止める骨太さ

横浜ゴムの新しいスタッドレスタイヤ『アイスガード8 SUV』を試乗してみて、まず全体像としては、SUV専用スタッドレスタイヤなのに、氷上グリップ、雪上グリップ性能が大幅に進化しているのが実感できた。

SUV専用スタッドレスというと、雪上トラクションや、ブロック剛性に性能を振り分けたぶん、言葉を選ばずに書けば、氷雪上性能は乗用車用スタッドレスタイヤの一格落ち、そんなイメージがある。

横浜ゴムの新しいスタッドレスタイヤ『アイスガード8 SUV』を試乗。
横浜ゴムの新しいスタッドレスタイヤ『アイスガード8 SUV』を試乗。    田中秀宣

しかしアイスガード8 SUVは、アイスガード8の氷雪上グリップをイメージさせるくらいグリップ性能が良く、それでいて重量級SUVの重さを受け止める骨太さも備えているように見受けられた。

氷盤ブレーキはトヨタ・ハリアー+225/65R17の組み合わせで、アイスガード8 SUVとG075で30km/hからの制動距離を比較することができた。

結果は、G075が5回平均15.2mだったのに対し8 SUVは12.6m。圧倒的とも言える差がついた。感覚的にも制動時の減速感や、タイヤが路面に食いつく感覚が強くあった。

明らかに旋回スピードが高く性能差は歴然

また、停止からの氷上での発進もグリップの強さ、発進の力強さではっきりと差があった。氷盤の旋回コーナリングも、テスト車両はハリアーで、タイヤサイズ、比較タイヤは氷盤ブレーキと同じとなる。

ここでもG075のラップタイムが24.35秒であるのに対し、8 SUVは22.15秒と大きな差が出た。視覚的にも、明らかに8 SUVの旋回スピードが高く性能差は歴然。特に旋回中の手応えは、ヒタッと広い面積でタイヤが氷の路面を捉えている感覚がハッキリとあるのが印象的だった。

氷盤の旋回コーナリングでは、明らかに8 SUVの旋回スピードが高く性能差は歴然。
氷盤の旋回コーナリングでは、明らかに8 SUVの旋回スピードが高く性能差は歴然。    横浜ゴム

グリップ限界を超えてタイヤが滑り出し、外に膨らむような場面では、アクセルオフでグリップの回復が容易だった。グリップの高さからくるコントロールの幅の広さが感じられた。

また、スリップ、グリップの事象だけでなく、グリップ中の手応えが、速度を増すとともに徐々に滑りが多くなっていく様子もステアリングに良く伝わってきた。つまりグリップピークだけを追ってタイヤを設計しているわけではなく、グリップの分かりやすさ、過渡領域のインフォメーション性が高いということだ。

SUV用タイヤの鈍さがない

雪上性能も良かった。ドライブ感覚は、舵の効きがよく、走っていてエッジ感のある乗用車用スタッドレスに近い印象だった。SUV用タイヤの鈍さがなく、ステアリングの切り始めから応答がよく、スーッと素早くクルマが向きを変えてくれる。

試乗車はトヨタ・ハリアー+225/65R17サイズ。ここでも8 SUVとG075を比較試乗することができた。前半部分は比較的大きなスラローム区間で、締まった圧雪路面。

冬の北海道で様々な車種を試乗してテスト。
冬の北海道で様々な車種を試乗してテスト。    田中秀宣

走らせてみると、G075だとステアリングを右から左、左から右に切り返す中立付近で遊びというか、応答の鈍い領域が広めにある。これに対して、8 SUVは中立付近の手応えがしっかりしていて走りやすかった。ステアリングの効きがよく、クルマの向きは変わりやすいが、リアタイヤの安定性が高く、クルマの姿勢の乱れも少ない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    斎藤聡

    1961年生まれ。学生時代に自動車雑誌アルバイト漬けの毎日を過ごしたのち、自動車雑誌編集部を経てモータージャーナリストとして独立。クルマを操ることの面白さを知り、以来研鑽の日々。守備範囲はEVから1000馬力オーバーのチューニングカーまで。クルマを走らせるうちにタイヤの重要性を痛感。積極的にタイヤの試乗を行っている。その一方、某メーカー系ドライビングスクールインストラクターとしての経験は都合30年ほど。
  • 撮影

    田中秀宣

    Hidenobu Tanaka

    写真が好きで、車が好きで、こんな仕事をやっています。
    趣味車は89年式デルタ・インテグラーレ。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

横浜ゴムの新スタッドレスタイヤ『アイスガード8 SUV』の前後関係

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