トヨタbz4Xと共同開発された『スバル・ソルテラ』 開発責任者が感じた両社における思想の違いとは 起源は自動織機と飛行機にあり
公開 : 2026.08.22 11:45
スバルは昨年10月、『ソルテラ』のビックマイナーチェンジを実施。開発責任者であるスバルの井上正彦さんに、内田俊一がインタビューします。そこで見えてきたのは、共同開発を行ったトヨタとの思想の違いでした。
外観にも手が入れられた初のマイナーチェンジ
スバルは昨年10月、『ソルテラ』のビックマイナーチェンジを実施。そこでのこだわりは何か、開発責任者に話を聞いた。
ソルテラはトヨタbz4XとともにBEVとして2022年にデビュー。その後小規模な改良は入ったものの、今回は外観等にも手が入れられた初めてのマイナーチェンジだ。開発責任者の井上正彦さんはこう振り返る。

「性能面で走りは良いのですが、BEVで求められる航続距離が期待値に応えられていませんでした。また、充電も特に寒い時は効率があまり良くないと極寒地からフィードバックがありました」
数回改良はしたものの、「ベースの電池容量や、パワートレイン全体をもう一度見直そうというのが今回の目的」と明かす。そこで電池セル容量をアップさせるとともに、パワートレイン損失低減につながるeアクスルにシリコンカーバイトを採用するなど、システム全体を見直した。井上さんが続ける。
「とにかく航続距離と低温充電性能を重点的に向上させることが目的でしたので、当初は内装に若干手を入れるものの、外観は変えないつもりでした。しかしトヨタbz4xが外観も変えるということになり、スバルも変更することにしました。
やはりトヨタは変わったのにスバルはそのままというのは販売面で説明しにくいですよね。また、コストも両車とも変えるなら半分ずつくらいで済みますので、お客様から期待されるスバルらしいデザインにしようとしたのです」
ソルテラのポジションがより明確に
そこには同じスバルのBEVである、トレイルシーカーやアンチャーテッド(日本未発売)の投入が決まっていたこともあり、ソルテラのポジションがより明確になったことも一因としてあった。
そんな3車のデザインにおけるそれぞれの立ち位置に関してこう説明する。

「ソルテラは少し都会的な方向に振り、ボディ同色のクラッディング(樹脂パーツ)にしています。そのぶんトレイルシーカーをラギッド(タフな雰囲気)方向に持っていけました。一方のアンチャーテッドはホイールベースが少し短くコンパクトなので、クロストレックみたいな立ち位置です。
つまり(内燃機関エンジンの)クロストレック、フォレスター、アウトバックを、しっかりとBEVであるアンチャーテッド、ソルテラ、トレイルシーカーでキャッチアップする布陣になっているんです」
スバルらしさとは?
それでは、井上さんが考える『スバルらしさ』とは何だろう。
「安心、楽しさ、長距離でも疲れない、予見性などいろいろありますが、それは全て(スバルの起源となる)中島飛行機のDNAから来ている、人間中心のものづくりです。また、移動の自由を提供する自動車会社として染み込んでいる歴史、レガシーがあります。ですからそこに携わる人が作れば、スバルらしくなるんです」

今回のソルテラでそれを一番象徴しているところを聞いたところ、井上さんは「乗り味です」と即答。前述のDNAは踏まえたうえで、トヨタとの違いを例に説明する。
「トヨタは道路のインフォメーションをしっかりドライバーに伝えるのが、安心、安全と考えます。動くものなので、ドライバーに責任があるからです。そうすると道路がどうなっているかという状態を伝えないと、間違った認識をしてしまうドライバーも出てきます。
ですから、100人いたら100人がそうならないようにするのが使命という感じなのですが、スバルはドライバーを信じています。ドライバーが運転しやすいように、余計な不快なものを全て排除して、集中しやすいようにする。コーナーをトレースするにしても、狙ったどおりに行くようにクルマ側が頑張ります、みたいなところです。
言い換れば、100人のうち、10人、20人のドライバーがそれを体感し、このクルマと一緒に遠くに行きたいと思ってもらえばいいんです」









































































