【まるで軍手で氷に触れているよう】横浜ゴム・アイスガードiG80が、まさかの大進化を遂げた!
公開 : 2025.09.01 06:00
9月1日、横浜ゴムからスタッドレスタイヤ『アイスガードiG80』が登場しました。スタッドレスタイヤにおいて40年の歴史をもつ横浜ゴムの最新作を、タイヤ分析の達人、斎藤聡がインプレッションします。
40年に及ぶ歴史の結晶
9月1日、横浜ゴムからスタッドレスタイヤ『アイスガードiG80』(通称:アイスガード8)が発表された。同社のスタッドレスタイヤへの取り組みは、1985年に登場した『ガーデックス』から現在まで40年にも及ぶ歴史を持っており、その間、氷上性能アップを追求してきた。アイスガード8はその第8世代となる。
もっとも注目したいのは、これまで追求し続けてきた氷上性能を革新的に高める、冬用タイヤ新技術コンセプト『冬テック』を採用していること。

冬テックとは、単位面積あたりの氷とゴムの接触点である『接触密度』と、路面とタイヤの『接触面積』のふたつの視点から、冬の路面との接触を最大化するための技術。
接触密度を高めるため、新たに『水膜バスター』と名付けられた新吸水素材を採用。また、ゴムの柔軟性を高めるとともに、劣化抑制効果を持つ『オレンジオイルS+』を新採用している。
従来から採用している『マイクロエッジスティック』、『吸水バルーン』に加え、シリカの配合量を増加したアイスガード8専用コンパウンド『冬ピタ吸水ゴム』を開発している。
水膜バスターは小型で多層構造の吸水素材である。高密度に配合することで、コンパウンド剛性を高める効果も発揮する。吸水性能は先代アイスガード7比で8%向上し、その結果、氷とゴムの接触密度が63%増加した。
また、ウェット・ドライ性能の低下を抑制するため、前述のとおりコンパウンドにはシリカを増量。シリカを増量すると、コンパウンドの柔らかさを維持するのが難しくなるが、オレンジオイルS+の配合によって4年後まで氷上摩擦力の低下を抑制することが可能となった。
AIを駆使してパワーアップ
もうひとつの視点である『接触面積』については、横浜ゴム独自のAIを活用した材料開発技術である『HAICoLab(ハイコラボ)』を駆使して、冬用タイヤの4つの機能である『圧縮抵抗』、『雪柱せん断力』、『凝着摩擦力』、『エッジ効果』を最適化したプロファイル(≒タイヤ形状)を抽出。8%増加したアイスガード史上最大の接地面積、ブロック剛性の7%増加、溝エッジ力の4%増加を実現し、ラグ溝倒れ込み抑制サイプを開発・採用している。
その結果アイスガード8は、冬テックの導入により、氷上制動が14%、氷上旋回(ラップタイム)が13%、氷上加速が13%それぞれ向上。同様に雪上性能、ドライウエット性能、静粛性も向上させている。

外観上の特徴は、縦溝主体のリブデザインが採用されていること。横溝でブロックを分断することなくリブ(ブロック列)剛性を高めたデザインとなっている。








































































































































































































