【ダンロップ/ブリヂストン/横浜ゴム】最先端技術満載の取り組みをリアルに実感!タイヤ3社の出展内容をチェック #JMS2025

公開 : 2025.11.06 07:05

ジャパンモビリティショー2025でタイヤメーカーは、ダンロップ(住友ゴム)、ブリヂストン、横浜ゴム3社が出展しています。各社の見どころを、タイヤの達人・斎藤聡が解説します。

ダンロップ(住友ゴム):次世代のモビリティタイヤ

ジャパンモビリティショー(JMS)2025でのタイヤ出展は3社。『ダンロップ(住友ゴム)』、『ブリヂストン』、『横浜ゴム』のみです。少なくて淋しいですが、内容は興味深く濃いものでした。

今回のJMSの全体テーマは『A unique opportunity to explore mobility’s future! (ワクワクする未来を探しに行こう)』。3社ともサステナブルで持続可能な社会実現をベースに、独自のブース展開になっています。

夢のような新技術も実現可能と感じさせる、ダンロップ(住友ゴム)の展示。
夢のような新技術も実現可能と感じさせる、ダンロップ(住友ゴム)の展示。    斎藤聡

特に興味深かったのは、タイヤのリサイクルについてでした。各メーカーのテーマと見所を紹介してみたいと思います。

まず、ダンロップが次世代のモビリティタイヤとして展示したのが、アクティブトレッドとセンシングコアを融合させたタイヤです。

アクティブトレッドは、温度や水をトリガー(きっかけ)にゴムの特性を変化させる技術で、一部性能はすでにオールシーズンタイヤの『シンクロウェザー』に搭載されています。

センシングコアは、タイヤ自体をセンサーとして機能させ、車輪速センサーや車両のCANデータを解析して路面の状況を推測する技術。こちらはまだ未搭載ですが、ふたつの技術が搭載されると、クルマが路面の状況を読み取り、状況に即したグリップ性能を発揮するという、夢のような技術です。

しかし、それもシンクロウェザーの登場で決して夢物語ではなく、もしかしたらかなり近い未来に実現可能かもしれない、そんな近未来感のある技術展示でした。

もうひとつのテーマに沿った展示が、スーパーGTのGT300クラス用スリックタイヤです。このタイヤが使用するのは循環型カーボン。タイヤの廃材を破砕しゴム片を熱分解(燃焼させない)することで、オイルとガスと粗カーボンに分離。この粗カーボンを精製して作られるのが循環型カーボンです。

2025年スーパーGT第4戦富士ラウンドでこのカーボンを使ったタイヤが777号車に装着され、GT300クラスで優勝。高性能を実証することとなりました。

このほか、ロシアンタンポポを使ったタイヤの展示も、個人的に注目しました。ロシアンタンポポは、温帯域に広く生息する1年草。この樹脂(他のたんぽぽではダメらしい)がナチュラルラバー(NR)の特性に近いそうです。熱帯地域に限られ、収穫には植樹して数年かかるゴムの木に対して、収穫しやすさに特徴があり、ゴムの木に代わる材料として研究が進められています。

このほか展示物として国産第一号タイヤや、ダンロップが世界で初めてハイドロプレーニング現象を解明したタイヤの展示もありました。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    斎藤聡

    1961年生まれ。学生時代に自動車雑誌アルバイト漬けの毎日を過ごしたのち、自動車雑誌編集部を経てモータージャーナリストとして独立。クルマを操ることの面白さを知り、以来研鑽の日々。守備範囲はEVから1000馬力オバーのチューニングカーまで。クルマを走らせるうちにタイヤの重要性を痛感。積極的にタイヤの試乗を行っている。その一方、某メーカー系ドライビングスクールインストラクターとしての経験は都合30年ほど。

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