ギュッと引き締まったサスペンションに切り替えるためにRモードにセットすると、デフやスロットル・レスポンスも切れ味鋭いものとなる。

すべては走りを刺激的なものにするため。あるいはボディ・ロールを最小限にして、コントロールを行いやすくするためである。

ステアリングの重みは適切。グリップの限界も引き出しやすい。アンダーステアはごくわずか。オーバーステアに転じるか転じないかのスリルもいい。

不満を記すとすれば、フォーカスほど楽しくない点だ。

右コーナーに飛び込む際、鼻先をできるかぎり内側に向けるためにブレーキングを引きずり、そこからはアクセル・ワークで微小な調整をすれば、あとは自然とお尻が遊びはじめるフォーカスに対して、シビックは細やかな調整が難しいと感じる。

もちろんフォーカスにも欠点はある。今年のフェイスリフト時のフロント・スプリングの見直しやボディ・ストラクチャーの引き締めのためにターンインがより機敏にはなっているものの、ステア・フィールにまとまりがないのだ。