ロールス・ロイス、100台限定のEV『プロジェクト・ナイチンゲール』 350週間にわたるグローバル・テストプログラム開始

公開 : 2026.10.01 07:05

ロールス・ロイスの新たなコーチビルド・コレクション第1弾、『プロジェクト・ナイチンゲール』の実走テストが開始されます。わずか100台の限定車ですが、あらゆる環境下で、のべ350週間にもおよぶテストが実施されるそうです。

100台限定のコーチビルドEVのロードテスト開始

ロールス・ロイスは9月21日、限定生産のコーチビルド・コレクション『プロジェクト・ナイチンゲール』のグローバル・テストプログラムの開始を発表した。

4月にその存在が明かされた『プロジェクト・ナイチンゲール』は、100台限定で生産されるコンバーチブル・モデルで、完全なデザインの自由度とフル電動パワートレインを融合させた、ロールス・ロイスの新しいコーチビルド・コレクションの第1弾となる。

ロールス・ロイス・プロジェクト・ナイチンゲール
ロールス・ロイス・プロジェクト・ナイチンゲール    ロールス・ロイス

今回スタートする実走テストは、同モデルをオーダーした顧客からの「世界各地で運転を楽しみたい」という要望に応えるためであり、エンジニアたちは累計350週間に及ぶという、ブランド史上でも特に厳格な検証プログラムを計画した。

テストはユーザーが実際に運転することが想定されるあらゆる走行環境で実施され、プロトタイプ車両は、地中海沿岸から北極圏、アラビア半島の砂漠地帯に至る過酷な環境で性能検証に臨むという。

プログラム開始は南ヨーロッパから

テストプログラムは南ヨーロッパから開始されるという。これは、100年以上前にロールス・ロイスが創業期において緻密で妥協のない車両開発の哲学を確立した地への帰還を意味する。

『プロジェクト・ナイチンゲール』の名称は、フランス語でナイチンゲール(夜鳴き鳥)を意味する『ル・ロシニョール(Le Rossignol)』に由来しており、これはヘンリー・ロイスが南フランスのリヴィエラに構えた冬期の邸宅近くに建設した開発拠点の名でもある。

ロールス・ロイス・プロジェクト・ナイチンゲール
ロールス・ロイス・プロジェクト・ナイチンゲール    ロールス・ロイス

20世紀初頭、ロールス・ロイスのエンジニアたちは、この拠点やシャトールーの試験施設を基地として、モンテカルロからロンドンに至る道路を含む広範囲なルートで、速度性能や耐久性を徹底的に検証していたという。

クリス・ブラウンリッジCEOは今回のテストプログラムを、「1920年代の実験車『EX』シリーズでの開発を通じて、ヘンリー・ロイス卿が追求した大胆な精神を受け継ぎ、妥協なき基準で磨き上げる」ものであると述べている。

卓越した静粛性と威厳を追求

すでに静的プロトタイプによる1430時間以上の空力解析と風洞試験が完了させている『プロジェクト・ナイチンゲール』。今後は専用の高速試験施設で250km/hに達する条件下での走行試験が実施される。

コンバーチブル・ボディを持つ『プロジェクト・ナイチンゲール』には、専用設計の電動ウインド・ディフレクターを採用し、車内への乱気流はあらゆる速度域で極限まで抑制される。

ロールス・ロイス・プロジェクト・ナイチンゲール
ロールス・ロイス・プロジェクト・ナイチンゲール    ロールス・ロイス

カシミアや複合素材を組み合わせた独自の吸音ルーフには、最高80℃の高温環境下での性能評価を含む、10種類にもおよぶ試験が課される予定だ。

また、本モデルの象徴的な装備であり、ロールス・ロイス初の採用となる、横方向に開閉する片持ち式のトランクリッド『ピアノ・ブート』は、1万5000回の開閉試験を予定。その耐久性は、繰り返し使用後も軽やかな操作性を保つという。

これらのテストプログラムでは、単に数値的な測定を評価することにとどまらず、経験豊富なエンジニアたちの知見と感性によって、ロールス・ロイスとしての静粛性と威厳を備えているかどうかを判断し、磨き上げられていく。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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