ダイナミックSの場合、ホイールゆえ乗り心地は不快とはいわないまでもやや跳ねやすくなる。したがって筆者ならば、燃費とCO2排出量に優れる17インチのモデルを選ぶはずだ。

高速道路の巡航時にはロード・ノイズやエンジン・ノイズは小さくないが、決して声を張りあげて会話するほどではない。こちらも加点ポイントだ。

1.5ℓと控えめな排気量であるにもかかわらず、追い越しに苦労するほど非力に感じることはない。言うまでもなく1.6ℓの方が安心感はあるものの、価格の差を考えれば納得できるトレードオフだといえよう。

ステアリングはドライバーを楽しませる類ではないが、正確性に不満はない。コーナーではいくらかのロールが生じるが、カジャールのプロポーションを考えればよくコントロールされている方だと感じる。

■「買い」か?

運転していて嫌な気はしないし、内装スペースや効率にも満足できる。トップ・クラスのリセール・バリューと価格を考えるとキャシュカイの立場を揺るがすことだって難しいことではなさそうだ。

両者を比べるには、比較テストを組む必要がありそうだが、現時点ではカジャールの方に1票を投じたい。

(ダグ・レボルタ)

ルノー・カジャール1.5 dCi 110ダイナミックS・ナビ

価格	£22,395(410万円)
最高速度	182km/h
0-100km/h加速	11.9秒
燃費	25.6km/ℓ
CO2排出量	103g/km
乾燥重量	1394kg
エンジン	直列4気筒1461ccディーゼル
最高出力	111ps/4000rpm
最大トルク	26.5kg-m/1750rpm
ギアボックス	6速マニュアル