ミニ・クーパー・クラブマン

公開 : 2015.11.16 23:50  更新 : 2021.10.11 08:58

■どんな感じ?

新型クラブマンにはエンジンの違いで、クーパー、クーパーS、クーパーDの3モデルがある。クーパーが1.5ℓ3気筒ターボ、Sが2ℓ4気筒ターボ、Dが2ℓ4気筒ディーゼルターボを搭載、6段MTの他に、それぞれ6段AT、8段AT、8段ATと組み合わせられて前輪を駆動する。日本仕様はクーパー、クーパーSのいずれもATのみの設定になる。

実はこのなかのクーパーSには9月末、スウェーデンで開かれた国際試乗会で乗ってきた。そのときの印象からすると、新型クラブマンは2ℓ4気筒ターボを積むクーパーSでないと非力ではないかと推測された。なにせ車重は、いずれも日本仕様ATの数字でクーパーが1430㎏、クーパーSが1470㎏もあるからだ。

そこで今回は、いささか半信半疑な気分を抱きつつ、136psと220Nmを発生する1.5ℓ3気筒ターボに6段ATを組み合わせたクーパー・クラブマンで、箱根の峠道に出撃してみた。すると、予測は見事に裏切られた。クーパー・クラブマン、長尾峠や箱根および芦ノ湖スカイラインを、パワーというよりトルクに任せて、グイグイ上っていくのだ。今回は高速道路を走る機会はなかったが、これならクルージングも充分にイケるはずである。

しかもクーパー・クラブマン、Sとの車重の差40kgの大半がパワーユニットの重量の違いと推測されるが、実際に走ってみてもスウェーデンで乗ったSより明らかにノーズが軽い。したがってワインディングでの身のこなしはSよりも軽快感があって、愉しい。

一方、スウェーデンで初めて新型に乗ったときには、これまでのいかなるMINIより洗練された乗り心地に感激したものだが、その点は基本クーパーも変わらない。適度にソフトでフラット感のある乗り心地は、これまでのMINIの常識を覆すものだといっていい。

記事に関わった人々

  • 吉田 匠

    Takumi Yoshida

    1947年生まれ。1971年、青学大卒業と同時に「CAR GRAPHIC」編集部に。スポーツカーの試乗記などを手掛け、FJ1600などのレースにも参戦、優勝経験数回。1985年、同社を退社、フリーランスのモータージャーナリストになる。「ポルシェ911全仕事」等、単行本多数。旧いスポーツカーに目がなく、愛車はポルシェ356B、ロータス・エランS2、他。

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