荷室容量は355ℓとボリューミー。大きなショッピング・バッグを数個まるまる飲みこめるサイズ感であるがトランク下端は高め。奥さんが重い荷物を持ちあげるには少なからぬ腕力が必要である。

トランクのフロア下にも収容スペースが用意されている。シートを倒せば(ほとんど)フラットな空間も広がる。

フォルクスワーゲン・ポロを除くほとんどの小型車の内装がプラスティッキーなのはご存知のとおりであるが、加えてバレーノは時代遅れなパーツも散見される。スイッチやプラスティック・パーツは安っぽい。

さらにタッチスクリーン・インフォテインメント・システムの反応が時たま遅くなる。またいくつかのボタンが必要以上に小さく、運転中に操作するにはわかりにくい位置にセットされている。

ただし実用的であることは間違いない。ナビに行き先を打ちこんだり携帯電話を接続する作業はあっという間に完了した。この動作に問題ないだけでも幸いである。

アップル・カー・プレイやミラー・リンクの装備も整っている。もし望めば、スマートフォンを直接スクリーン上で操作できるというわけだ。

■「買い」か?

まだまだ明らかになっていない情報が多いゆえ、現段階で結論を下すことは遠慮したい。

ただ、今回のテストで歓迎できるエンジンと満足に足るドライビング・エクスペリエンスを供していることが判明した。バレーノを嫌いになる人は少ないだろう。

また十分に実用的かつ装備が充実していることから、価格設定さえ間違えなければヒットする可能性も少なからずある。

しかしそれでもAUTOCARはフォード・フィエスタ・エコブーストを選ぶだろう。楽しさの違いが最大の理由である。

(ジョン・ハウエル)

スズキ・バレーノ1.0ブースタージェット

価格	約£12,000(223万円)
最高速度	200km/h
0-100km/h加速	10.5秒
燃費	22.2km/ℓ
CO2排出量	103g/km
乾燥重量	905kg
エンジン	直列3気筒998ccターボ
最高出力	112ps/5500rpm
最大トルク	17.3kg-m/2000-3500rpm
ギアボックス	5速マニュアル