スズキ・バレーノ1.0ブースタージェット

公開 : 2015.11.17 23:20  更新 : 2017.05.29 18:41

さすがにフィエスタのレベルには達しないが、グリップ力に不足は感じず、フロント・タイヤがジリジリと滑りはじめる直前まではボディはフラットに保たれてる。

ステアリングも極めて正確。一方のフィールは不足している。また、ミドル・コーナー上のリッジを踏み越えるとわずかながらの抵抗が看取される。

この際ダンパーは上下動の動きに苦しむ。結果的にキャビンにはドスンと衝撃が伝わる。瞬間的に求めるラインから車体がズレていく原因になっている。

これらのイレギュラーな障害物に出くわさないかぎり、サスペンションの動きは実にうまくコントロールされている。

速度低減用のバンプをまっすぐに走り抜ける際は、本質的なやわらかさが心地よい乗り味をもたらしてくれる。継ぎ接ぎだらけの道でもしっとりと落ち着いている。

ただし時にサスペンションは酷くノイジーになるときがある。さらに5速MTを組み合わせるテスト車は6速が欠如しているぶん高速巡航時に常にエンジン音がキャビンに進入する。

また、フロント・ガラスとドア・ミラーから聞こえる風切り音も耳につく。したがってリファインメントはバレーノの強みだとはいいがたい。

バレーノの強みはキャビンの広さである。189cmの私にとって、フロント・シートに腰を下ろした際の頭上/足元スペースは満足できるレベルにあった。

ステアリングは前後と上下方向に動かすことができ、シートも高さ調整ができる。シートを1番低い状態にしていてもかなり高いが3kmも走れば慣れるはずだ。

リア・シートの足元はほとんどの小型車を凌駕している。というかむしろ、ホンダ・ジャズ(日本名:フィット)と同等のレベルにあるといえる。

頭上スペースはジャズのそれには及ばないが、‘受け入れられる’ どころか ‘すごくいい’ と感じるほどで、望めば3人の大人でも座ることが可能だ。

おすすめ記事

 
最新試乗記

試乗記の人気画像