一方のノマドに関しては、「極めておもしろいキャラクターであることに気づくまでに時間はかからないよ」とマット・ソーンダース。特にスプリング・レートを柔らかい方に切り替えると、ノーフォーク特有のバンプが気にならなくなる、という良点もある。

コックピットの位置やペダルの配置、スムーズな動作のおかげでコーナーのラインもトレースしやすい。なめらかなサーキット・ロードのために作られたクルマではないが、ソーンダースに言わせてみれば「そんなことさえ気にならないよ」とのこと。

また彼は「不足しがちなグリップと、ハード・ブレーキ時の不安定さ(リアが先にロックする)は見過ごせないけれど、一体感がすごいから細かなことが気にならないんだ」ともコメントしている。

一方のアンドリュー・フランケルは、それでもやはり気になる部分はあるとの見方を示しており「飛ばせばかなりおもしろいんだけど、コーナリング・スピードが落ちるのはトラクションだけが問題じゃないよ」といっている。

さらに「軽量なミド・エンジンカーならば、ロケット・ランチャーから飛びだすミサイルみたいであるべきだ」とし「リア・ブレーキのマナーはコーナー進入の足を引っ張っている」と評価しているが、同時に “ステアリングとパワー・デリバリー、全般的な振る舞いは愛すべき” とのメモも残していた。

たしかにデールズを走らせた際のアティチュードは ‘ joie de vivre(=生きる歓び)’ を体現したものだといえるだろう。

ここで現実的な見方を。

ならばノマドのサスペンションは、ポルシェGT3 RSやフェラーリ488 GTBのように、高速道路やサーキットにも向いているのだろうか?