RMサザビーズ・アリゾナ・オークション

●2016.01.28-29 フェニックス/AZ/USA アリゾナ・オークションのトリを務めたのはRMサザビーズのアリゾナ・オークションだった。トップオークショナーの2016年初のオークションだけに粒よりの152台が並んだ。  
常に話題のクルマを用意してコレクターズ・オークションを盛り上げているRMサザビーズ・オークション。2016年のキックオフ・オークションとしてアリゾナ・オークションが開かれた。先のボナムスとグッディングはスコッデイルで行われたが、こちらは隣町で州都のフェニックスで開かれた。 オークションは1月28〜29日の2日間に渡って行われ、それぞれ76台、合計152台が用意された。今回のオークションで面白いのは同じタイプのモデルが両日に並ぶことで、ビッダーは入札前に仔細に比較してから本命を決めていたようだ。しかし極め付けと言える貴重なモデルの姿は僅かだった。 トップオークショナーによる2016年初のオークションだけに最高落札額は、トラッドなオークションであることを物語るように1937年型メルセデス・ベンツ 540K スペシャル・ロードスターが$9,900,000／11億9790万円が記録。ロングテール、ハイドアを備える貴重な個体で、新車でアメリカにデリバリーされ走行は約1.6万kmでオリジナルを保っていることが評価された。 2番値もビンテージ・モデルで、1929年型デューセンバーグ・モデル J ディザッペアリング・トップ・トルペード・コンバーチブル・クーペが3億5700万円で落札され、3番手には1965年型シェルビー 427 コンペティション・コブラが2億6835万円で続区問い、アメリカらしい結果となった。 上位の常連であるフェラーリは希少なモデルが無かったことから、1965年型フェラーリ 275GTBが2億5199万円、1953年型フェラーリ 212 インテル・クーペ・ヴィニャーレの1億3310万円と低調だった。しかしモダン・フェラーリが健闘し、僅か80台のみが送り出された限定モデルの2011年型フェラーリ SA アペルタは1億4072万円記録している。 ここに来てオークション・バブルが落ち着いてきたようで、以前ほどの勢いが見られなくなった。全般に微妙な存在のモデルは流れる傾向にあり、フェラーリを例に見ると人気の288GTOは流れ、275GTBは2億5199万円に留まり、4シーター・モデルは全滅。365GTC/4も2台とも流れている。勢いが無くなったことを象徴するのが365GTB/4デイトナの下落だ。一時期は1億円を超える勢いだったが、ここでは8319万円と8449万円で終わっている。 一方でフェラーリの新しいモデルは好調で、高額で落札されている。なお4326万円で落札されたF430スパイダーは、希少な6M/Tと数多くの特別装備に加えデリバリー・マイルの実質的に新車だけに、ここまで上昇したもの。 リザルト上位の常連といえるランボルギーニ・ミウラP400SV（2億3800万円）やメルセデス・ベンツ 300SL ロードスター（1億5307万円）、シェルビー 289 コブラ（1億2978万円）は高値をキープしている。 このほか注目集めたのはSS100 2ℓ ロードスター・ヴァンデン・プラだ。ワンオフのユニークなスタイリングのボディを纏う個体で1億6971万円を記録した。またデビュー間もないポルシェ 918 スパイダーも並び1億8981万円を記録した。 マニアックな車両ではポルシェ356のコンポーネンツから製作されたアパル・ポルシェ 1600GT クーペが姿を見せたが、マイナー車だからか1048万円に留まった。このほかマクラーレン・カーズが世に認められる礎となったM1Bが出品されたが、レーシングカーで認知度が低いためか2662万円と低調だった。ヒストリックカーが皆上がるなか、御時世だが、デ・トマゾ・パンテーラはレストア済ながら1198万円で終わってしまった。 ポルシェ、特に911系は昨年より全般的に落ち着いてきたが、RSやターボなどは今も強気だ。しかし、356のスピードスターに迫る勢いでカブリオレとスピードスターの価格が上昇し続けている。 日本のファンにとって日本車の動向が気になるが、トヨタ2000GTは行き渡ったのか最低落札額に届かず流札。マツダ・コスモ・スポーツ・シリーズ II（後期型）は999万円で落札した。アメリカの25年規制が外れて人気急上昇中のR32スカイラインGT-Rは、人気の高さを物語るように982万円まで値を上げている。 ここでは落札額トップ21の各車と、マニアックな車両をお目にかけよう。