フォード・マスタング・シェルビーGT500

公開 : 2012.10.13 15:29

■どんなクルマ？

フォードはマスタングの大幅なアップデートを行った。そのアップデートはV8マスタングに限ってはそれほど大きなものではなかったが、耐久性の高いライブ・リア・アクスルを持つにも関わらず、そのハンドリングと乗り心地が洗練された。

昨年、ボス302の440bhpが”ビッグ・ポニー”の標準となったが、シェルビーGT500は、それより113bhp大きい653bhpのパワーを持つモデルで、100kgほどボス302よりも重たくはなるが、獰猛なモデルであるのだ。

■どんな感じ？

650bhpのマッスル・パワーがリア・アクスルに掛かることを想像できなければ、このマスタングをドライブすることはできないだろう。

テスト・コースに選ばれたブランズハッチのコーナーでは、正確で重さを持つステアリングと、印象的なグリップを見せてくれた。それほどアグレッシブに攻めこまなければ、シャシー・レスポンスも良好だ。

しかし、スロットルの反応は刺々しく、しばしばコーナー出口でのスムーズな加速を妨げることとなった。

とはいえ、GT500がドラッグレーサーであったのは過去の話で、スーパーチャージャーの唸りを響かせながら、北米製の最もパワフルなエンジンを積むこのモデルは、カーブでも十分に楽しめるクルマである。

エンジンは、新しい大きくなったイートン製のブロワーは56%も前モデルよりもブーストが上げられ、カムシャフト・プロファイルが変更になったアルミニウム製ブロックとヘッドを持つ。

われわれの試乗車にはオプションのトラック・パックが付けられていたが、それはエンジンのクーリングを向上させ、トルセン・リミテッド・スリップ・デフとビルシュタイン製のダンパーが付けられている。また、カーボンファイバー製のドライブシャフトとアップグレードされたトランスミッションも装備する。

標準装備となるブレンボのブレーキも、非常に効きが良かった。

■「買い」か？

あなたが望むならば買いである。残念ながら英国には正式輸入されないが、並行業者によれば60,000ポンド(756万円)でシェルビーGT500は購入することができる。より非力なシボレー・コルベットZR1が106,605ポンド(1,340万円)であることを考えれば、これはバーゲン・プライスといえるだろう。

(リチャード・ウェーバー)