エルゴノミクスとクオリティに関しては、ゴルフRに及ばないが、最低ラインはクリアしている。他を見渡せば、フォーカスRSのレベルも高い。

ダンパーは相変わらずソフト・モードだが、どっしりと構え、なおかつ俊敏に鼻先が動くことに改めて驚く。

さすがにゴルフRに比べると足元からの入力は神経質に伝わるが、それでも極めて巧みにコントロールされていると感じる。

ロック・トゥ・ロックは2.0回転と、実はクイックネスではゴルフRに負けているのだが、反応はフォーカスRSの方が機敏だ。

かといってナーバスなわけではないので安心されたい。あくまでナチュラルななめらかさ。それでいて、正確性でドライバーを鼓舞する。

そして何より速い。排気量は増えているが、低回転から一気に吹けあがる。エンジンからの物理的なフィードバックも伝わる。アクセルを戻せば、やはりタイトに反応する。つながっている感覚が強い。

一方のゴルフRは、ダッシュボードのつけ根にあるサウンド・シンポーザーが作りだす、控えめ(かつやや人工的)な音が強い。

フォーカスのリアルなサウンドを聴くと、なおさらゴルフRは ‘作りだされた’ 音に聞こえる。刺激的なのはフォーカスの方。クラスにとらわれない音質である。