アウディRS6アバント

公開 : 2016.04.20 23:40  更新 : 2017.05.29 18:14

しかしこれは裏を返すとAMG E63ほどじゃじゃ馬的ではないということになる。たしかにリア・デフのセッティングはスポーティだし、トルク配分だってリア偏重だが、どうにもRS6をドリフトさせたいとは思わない。

アンダーステアが挙動を支配しているというのもあるだろう。仮にウエット路でアクセルを強く踏みこんだとしても、リアが小さくブルブルと震えるのみ。即座にフロントにトルクが流れ、スライドを制御するのだ。

一方のエア・スプリングは、従来のコイルに比べると、はるかによくなっている。ロールが少なければ、ドタバタとすることもない。たしかに硬いものの、多くの ‘超特急ターボ’ よりやわらかいタッチなのだ。

もうひとつ注目すべくは電気機械式のステアリングである。システムこそまったく変わっていないが、前輪の状況を掴みやすくなった。ドライバー参加型ではないものの正確な印象も。サスの改善がここにも活きている。

8速オートマティックの完成度もすばらしい。望めば迅速なシフト・チェンジが可能だし、日常のドライブでもなめらかだ。時に変速ラグが看取されるが、パドルで操作できるのも、高速走行時にありがたい。

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