デジタル仕掛けが高める運転体験の魅力 ホンダ・プレリュード:ベスト・ハイブリッド賞 #AUTOCARアワード2026

公開 : 2026.07.03 11:45

2025年後半から2026年前半で、UK編集部が各カテゴリーのベストを称えるAUTOCARアワード。ベスト・ハイブリッド賞に輝いたのは、巧妙な技術で運転体験を磨いた、ホンダ・プレリュードです。

FFクーペのパイオニア的存在だったプレリュード

ホンダシビックに搭載されたハイブリッドを利用し、素晴らしいクーペが現代に誕生すると想像した人はいただろうか。快挙と呼べる、仕上がりにある。

アウディはTTを一旦終了し、フォルクスワーゲンはシロッコを終売。プジョーRCZの提供を終えてしまった。英国を含む2026年の欧州市場で、ミドルサイズのスポーツクーペを新車で購入できるようになるとは、うれしい驚きでしかない。

ホンダ・プレリュード(英国仕様)
ホンダ・プレリュード(英国仕様)

1980年代から1990年代にかけて、前輪駆動クーペのパイオニア的存在といえたプレリュード。四半世紀ぶりに復活した6代目は、ギアチェンジ級の変化を遂げている。これまで通り、流麗な2ドアボディをまといながら。

成熟した市場で顧客が求めていた組み合わせ

メカニズムは、どちらかといえばベーシック。後輪操舵システムや、トルクベクタリング機能などは備わらない。しかし、有能なホンダ・シビック・タイプRのシャシーを転用することで、走りの実力は高い。

自然吸気の2.0L 4気筒エンジンは主に発電のために回り、電気モーターで走るというハイブリッドは、クロスオーバーのCR-Vにも搭載されるもの。それでも、巧妙に調整されたデジタル仕掛けで、効果的に運転体験の魅力が引き上げられている。

ホンダ・プレリュード(英国仕様)
ホンダ・プレリュード(英国仕様)

さらにハイブリッドは、CO2排出量の削減が強く求められる現在に、中期的な将来性を担保する。スタイリッシュなボディと、エネルギー効率の高いパワートレインという組み合わせは、成熟した市場において顧客が求めていたものといえる。

ハイブリッド・クーペという独自の地位を確立

プレリュードで走り出せば、見た目以上に惹き込まれるはず。ステアリングは極めて正確で、コーナリングは流暢で、操縦性は素晴らしいのヒトコト。シビック・タイプRのように、サスペンションは硬すぎない。

電気モーターが主体で走るハイブリッドは、際立つ動力性能を誇るわけではないが、公道で不満ないパワーを発揮。優れたシャシーの実力を、充分に引き出せる。

ホンダ・プレリュード(英国仕様)
ホンダ・プレリュード(英国仕様)

加えて、ステアリングホイール裏のパドルを弾けば、擬似的な変速も楽しめる。デジタル的なフェイクだとしても、本物の興奮を味わわせてくれる。4気筒エンジンの吹け上がりも気持ちいい。バッテリーEVには、真似できない体験だろう。

ハイブリッド・クーペという独自の地位を、プレリュードは登場するやいなや確立したとも表現できる。まさに、ホンダらしい展開だと思う。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    役職:編集長
    50年にわたりクルマのテストと執筆に携わり、その半分以上の期間を、1895年創刊の世界最古の自動車専門誌AUTOCARの編集長として過ごしてきた。豪州でジャーナリストとしてのキャリアをスタートさせ、英国に移住してからもさまざまな媒体で活動。自身で創刊した自動車雑誌が出版社の目にとまり、AUTOCARと合流することに。コベントリー大学の客員教授や英国自動車博物館の理事も務める。クルマと自動車業界を愛してやまない。
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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