■どんな感じ?

今後は日本でも308シリーズ最大の売れ筋になりそうな1.6ℓブルーHDiは、ノーマルモードにして車内にいるかぎり、ディーゼルらしさをほとんど感じない。アイドリングストップからの再始動もスムーズだし、高回転まで引っ張ってもディーゼルとは思えないツブがそろった緻密な音である。しかも基本的に静かだ。

6ATをマニュアル・モードにしても、1.6ℓは4300rpmほどでシフトアップする。当然のごとくリミットはガソリンより明らかに低いのたが、そこまでの吹け上がりはなんとも滑らか。良くも悪くもディーゼルを感じさせない。

対する2.0ℓも、最新ディーゼルらしく静かだが、わずかにディーゼル感は1.6ℓより明確になる。ただ、同じエンジンを508より震動も少なく静かに感じられたのは、308の音響設計が新しいせいもあるだろう。

ブルーHDiにもガソリン車と同じく、パワステやパワートレインを統合可変させるスポーツ・ボタンがつく。そのボタンでダイナミック・モードにすると、スピーカー音がプラスされる。本国資料には「エンジン・ノイズが増強されて、より“スポーティ”になる」と書かれているのだが、実際には、これがまあ笑ってしまうほどの“爆音”である。

この爆音をどうたとえるか……と、何人かの同業諸氏に聞いてみたところ、「いうなればAMG」とか「まるでガヤルド」といった最大級の賛辞(?)がならんだ。彼らの意見には私も完全に同意する。