プジョー308 ブルーHDi

公開 : 2016.08.12 05:55  更新 : 2017.05.29 19:00

ディーゼルというと、日本ではいまだ「ガソリンに対して、どれほど静かか?」が焦点になりがちだが、欧州、しかも欧州でいちばんのディーゼル大国フランスでは、こんなことになっているか……と、ちょっとしたカルチャーショックである。

当たり前だが、308とブルーHDiの組み合わせは、1.6ℓでもなんら不足を感じない。総合的にもガソリンでいうと2.0ℓ自然級プラスアルファの力強さがあり、2.0ℓのGTにいたっては完全なホットハッチの領域だ。

アイシン製の6ATはパドルによるマニュアル変速も可能だが、感心したのは自動変速のSモード。PSAのSモードは昔から、減速Gに応じた積極的なダウンシフトが特徴だった。それでもガソリンのトップエンドを使いきれずに、結局はパドルシフトのほうが乗りやすいケースが多かったが、2000〜3000rpmがもっとも美味しく、それ以上回しても意味がやいディーゼルの場合、そのSモードがまさにドンピシャである。

シャシーの設定は、1.6ℓアリュールはPSAとしてはピッチング・ロールともにフラット姿勢重視タイプ、2.0ℓGTはホットハッチとしては柔らかめ……という点では、既存の308に通じるものである。ただ、加速側だけでなく減速側のトルクも鋭く強力なディーゼルでは、より的確な荷重移動が可能となり、アリュールはガソリンより明らかにキビキビとスポーティに走る。また、ホットハッチとしてはゆったり系のGTシャシーも、2.0ℓディーゼルの特性が荷重移動スピードとぴたりとシンクロする。そのマッチングはちょっと感動的ですらある。

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