BMWアクティブハイブリッド7 L SE

公開 : 2012.11.16 22:53　　更新 : 2017.05.29 18:00

■どんなクルマ？

ガソリンと電気のハイブリッドを搭載したBMW 7シリーズだ。BMWは、昨年英国で1,400台の7シリーズを販売しているが、そのうち91%がディーゼル・モデルであった。そういった意味でも、このアクティブハイブリッド7は、非常にニッチなマーケットに向けたモデルでもある。

0-100km/hが5.7秒、そして250km/hのトップスピードは、3リッターのストレート6を搭載する740iと同じ値だ。燃費は740iと比較すると2km/lほど良い14.7km/lだが、その燃費の差で本体価格の5,000ポンド(64万円)の元を取るには何千kmも必要だ。更に、ディーゼル・モデルと比較すると、17.8km/lの燃費を持つ730dや740dに対してははっきりと劣ってしまう。

アクティブハイブリッド7は、純粋な電力では4〜5kmしかはしることはできない。また、アクセルを踏み込むと、2トン近いバイエルン製サルーンを動かすために、3.0リッターのエンジンがすぐに動いてしまうことになる。もし、本当のハイブリッド的な走りを味わいたいのなら、スロットルワークに厳格になる必要があるのだ。

■どんな感じ？

実にスムーズなドライブトレーンで、8速のオートマティック・ギアボックスとの組み合わせもあって、2つのパワー・ソースがどこでどう動いているかはまったく解らない。

基本、その他の点については、7シリーズのものをそのまま受け継いでいる。従って、特にステアリングの重さとデッドな感じは残念なことにそのままだ。エコプロ、コンフォートプラス、コンフォート、スポーツ、そしてスポーツプラスとプリセットを変更できるシステムがつけられているが、それでもステアリングの正確さが増すことはない。

経済性を忘れてスロットルを踏み込めば、アクティブハイブリッド7は、あなたの次の会議の場所へ遅れることなく連れて行ってくれるクルマであることは確かだ。

■「買い」か？

あなたがバッテリーのために若干のブート・スペースを失うことを気にしない裕福なテクノロジー・マニアなら、アクティブハイブリッド7は訴えるものがあるだろう。しかし、その他の人にとっては、730dの方が賢い選択肢であるし、メルセデス・ベンツS350 CDiブルーテックは更に良いモデルであろう。

(ポール・ベイリー)